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◆ 動物に関る言葉のミニ辞典 ◆ の過去のお話(猫2)


話を入れ替えた折、削除した過去の分のお話です。






  白猫であれ黒猫であれ、ねずみを捕るのが良い猫である
白猫黒猫 どんな方法であっても、望みの結果を出せればそれで良いという意味です。
もともとは四川省の古いことわざですが、中国の政治家、ケ小平が言ったことで有名になりました。

 男猫一匹膝にも乗せぬ
膝ネコ たとえネコでも、オスなら膝にも乗せないということで、
男性を一切寄せ付けず、貞操を堅持するたとえです。

  好奇心は猫をも殺す
好奇心猫 イギリスのことわざ Curiosity killed the cat.
他人のことを必要以上にに詮索するとひどい目に遭いますよということです。過剰な好奇心は身を滅ぼすということを、戒めるためのことわざです。


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  猫間障子(ねこましょうじ)
猫間障子 下半分くらいにガラスがはまっていて、その上の障子が上げ下げできるものをいいます。
本来はネコが出入出来るぐらいの小窓が付けられたものをいいました。

 Look like the cat that ate the canary. 
カナリアを食ったネコ
カナリアを食った猫のように。
ネコがカナリアに狙いを定めてうまく仕留めて食べててしまった様子。
そこから何かを達成したような得意げで満足な様子。
またやましいことを隠すかのように、
何ごともなかったのようにすましている様子を表します。


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 猫も茶を飲む
茶飲みネコ ネコでさえお茶を飲んで一休みするということ。
生意気に分相応なことをするというたとえです。

 猫に粥餅  ねこにかゆもち
熱いかゆ餅は食べられないネコ ネコはもともと熱いものを食べるのが苦手なものです。そのネコにフーフーやってもなかなか食べごろの温度ならない熱い粥餅を与えたようなものだということです。   
手も足も出ない、どーにもならないことのたとえです。


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 好奇心は猫を殺す
好奇心旺盛なネコ" イギリスのことわざの Curiosity killed the cat. が元のことばです。
詮索好きが高じたり、好奇心が強すぎると危険だという戒めで、とくに知る必要のない他人のことなどにあれこれ首をつっこむのはトラブルのもとになるということです。

 雪隠へ落ちた猫
雪隠へ落ちた猫 雪隠とは便所のことです。
便所に落ちたネコなどは、汚ないし、暴れるだろうしということで、とても手が付けられないところから、つかまえ所がないことをいうしゃれです。

 末っ子は猫の尻尾
尻尾の素敵なネコ 家を継ぐこともない末っ子は何の役にも立たない
ということで、ネコの尻尾のようなものだということです。
(全国の末っ子の皆さん、決してそんなことはありませんヨ!)


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 描鼠同眠(びょうそどうみん)
炬燵ネコ 本来は捕まえるべきネズミとネコが一緒に寝ているということで、盗人を捕まえる者と盗人とが結託して悪事を働くことを表す熟語です。
また、悪事を働く人とそれを取り締まる人が示し合わせて事を運ぶことや、上の立場の人と下の立場の人が共謀して悪事を働くことをいいます。

 真猫(しんねこ)
しんねこ 「しんみりねっこり」の擬音のイメージに由来している言葉で、「真猫」と記述されるのは当て字だそうです。
意味は、気のある男女が人目を避けて仲睦まじく向き合って静かに語らうさま、といったことです。
また方言として仲の良い夫婦、といった意味で使われる地域もあるそうです。

 猫瓶
猫瓶 猫瓶 猫瓶 昔、駄菓子屋等で見られた、口が斜めについた透明の瓶のことで、その形がネコのように見えることからこう呼ばれているようです。
ガラス製あるいはプラスチック製があり、丸いものは丸猫瓶、角ばったものは角猫瓶といいます。


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 Don’t let the cat out of the bag!
袋から逃げるネコ
“let the cat out of the bag”は、「ネコを袋から逃がすなよ!」
秘密を漏らす、うっかり秘密を話してしまう、という意味です。
“Don't let the cat out of the bag!”は
「秘密をバラすなよ!」ということになります。

 公家の子と猫の子は何ぼあっても廃(すた)らぬ
公家の猫公家の猫 公家の猫公家の猫 公家の猫公家の猫 公家の子も、ネコの子も、貰うのを喜ぶものが多かったことから、いくら多くても困らないことをいいます。

 猫にサザエ
手の出ない猫 サザエ ネコに大好きなサザエを預けても、自分では殻から出して食べることはできません。
大好物ですが手の出しようがないということのたとえです。


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 兄のものは猫の椀まで
相続猫 長男は父の遺産を、ネコの椀のようなつまらないものも含め、すべて相続するということ。
長子の相続制度では兄にはとにかく権力があり、何から何まで全ての財産は兄に渡るということです。

 猫が香箱を作る(香箱座り)
香箱猫 ネコの座法の一種で、両前脚を胸毛の奥(内側)へ折り曲げて、両後脚を小さく畳んで丸くなってる姿をいいます。
香箱とは香を入れる箱のことでフタの中央が少し丸く膨らんでるものが多く、それに似ていることからつけられたようで、 「箱座り」「香箱を組む」「香箱を作る」などとも呼ばれます。
英語圏ではパンの塊に例えて「catloaf」と呼ぶそうです。

 堪忍を猫に教える 
気ままなネコ 勝手気ままに生きるのがモットーの気まぐれなネコを相手に、堪え忍ぶことを教えるのはとても大変なことであるということです。
極めて忍耐力の必要なことのたとえです。


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 手袋をはめた猫は鼠を取らぬ
手袋をはめた猫 ちょっと着飾って手袋などはめてカッコつけているネコ。
おしゃれはいいけど爪まで隠していてはネズミをとることは出来ません。
恰好を気にしていては良い仕事が出来ない、 本気で取り組まなければ仕事は成し遂げられないという意味です。

 猫馬鹿坊主に火吹き竹
座っちゃだめよネコ 囲炉裏の奥正面の座は主人の席と決まっています。
そこに主人以外で坐るのは、ネコと愚か者と僧侶と火吹き竹ぐらいなものであるということで、家長以外の者が坐るべきではないということです。   

 猫が熾(おき)をいらうよう
熾をいらうネコ 「熾」は炭火、「いらう」はいじる、という意味。
ネコが炭火に手を出しては、さっと引っ込めるように、ちょっかいを出すことをいいます。


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 鼠取らずが駆け歩く
騒ぐだけのネコ ネズミを捕まえないネコは仕事もしないで騒ぐだけ、ということから、役に立たないもののことです。
ろくな働きをしない者が忙しそうに走り回ることや、つまらない者に限って物事をするときに大騒ぎするものだということもいいます。

 猟ある猫は爪をかくす ( りょうあるねこはつめをかくす )
爪をかくすネコ すぐれた才能や力量を持つ者は謙虚であり、普段はむやみにそれを人に誇示したり見せようとはしないものだというたとえです。「能ある鷹は爪を隠す」と同じ意味です。

 猫と庄屋に取らぬは無い
取らぬは無いネコ この庄屋とは荘園の事務を司った荘司・荘官の総称。
目の前のネズミを取らないネコがいないように、庄屋も機会があれば 必ず袖の下をとるものだということで、賄賂に手を出す役人を皮肉っていう言葉です。

 猫の逆恨み
逆恨みネコ 高い木に登って降りられなくなったネコを助けても、引っかかれることがあるように、気持ちのねじ曲がった人が、助けてもらいながら助けてくれた人を逆に恨んだりすることをいいます。


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 猫は虎の心を知らず
トラの心を知らないネコ 外見は似ていても、ネコにはトラの心がわからないように、小人物には大人物の考えは理解できないということです。

 猫に唐傘
驚くネコ 猫の前でたたんだ傘を急に開いて
びっくりさせるということから、
驚くことや嫌がることなどのたとえです。

 蚕を飼えば猫を飼え
カイコを守るネコ カイコを飼うなら、その敵のネズミを捕るネコを飼う必要があるという意味で、物事をするにはそれに伴う段取りが必要である、ということです。

 庄屋と赤猫に油断すな
赤猫 油断するとすぐ足許に付け込んでくるから、庄屋には注意すべきだということ。
赤ネコは盗賊仲間の隠語で、火事や放火する事をいいいます。


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 猫面(ねこおもて、ねこづら)
ねこづらネコ 猫のように寸の詰まった短い顔や、またはそういう人のこと。

 秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる
顔が伸びるネコ

秋は晴れの日は肌寒く、雨の日のほうがむしろ暖かいということから、秋に雨が降ると寒がりのネコは、顔を三尺(約90cm)に長くなるほど喜ぶということです。

 猫の泣き食らい
泣き食らうネコ ネコが鳴きながらエサを食べるように、
泣きながらものを食べることをいいます。


 猫に憎まれれば引っ掻かれる
引っ掻くネコ おとなしい猫でも、人を憎むとひっかくことがあります。
人から恨みをかうと、いいことはないということです。


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 猫の精進
遠慮するネコ 好物の魚を目の前にして、食べなさいといわれてるのに、「いいえ結構です」と表面上は辞退するネコのような行為のこと。
 三年になる鼠を今年生まれの猫子が捕らえる
ネコ 優れた人物は小さい頃から人並みはずれた才能を現すということ。
また、子供のために大人がやり込められることのたとえです。


 猫は傾城の生まれ変わり
傾城の生まれ変わったネコ 傾城は絶世の美女や特に上級の遊女のこと。
客に対するしぐさがどことなくネコに似ていることや、ネコの皮でつくった三味線で唄ったり踊ったことなどから、 遊女はネコの生まれ変わり、またはネコに生まれ変わるという俗説が生まれました。


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 猫の子をもらうよう
もらったネコ まるでネコの子をもらうときのように、養子を取ったり嫁や婿を貰うような、縁組みが手軽、簡単、無造作に行われるようすです。

 女の怖がると猫の寒がるは嘘
寒がるネコ ともによく見せる動作ですがが、内心と違うところがあること、本当ではないことがあるということです。

 猫の食い残し
食べ残すネコ ネコは全部きれいに食べずに食べ残すくせがあることから、
食べちらかした様子の例えで、行儀の悪いことをいいます。

 女の腰と猫の鼻はいつも冷たい
neko15 女性の腰は冷えやすいということ、また、お尻も皮下脂肪のせいでほぼ1年中冷たい、ということを猫の鼻にかけたたとえです。


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 あってもなくても猫の尻尾
立派な尻尾のネコ あってもなくてもどちらにしても、大したことはないというたとえです。

 猫の子の貰いがけ嫁の取りがけ
もらったばかりのネコ もらったばかりのネコの子はみんなから可愛がられ、
嫁も家に来てすぐの間は皆から大切にされます。
初めのうちだけはどちらも珍しがられ大切にされるが、やがて粗末に扱われるようになるということです。

 猫舌の長風呂入り
長風呂ネコ 猫舌の人はぬるいお湯がすきなので入浴時間が長いということです。ぬるい湯ではカラスの行水というわけにはいかないからでしょうか。

 猫が胡桃を回すよう
ネコ ネコがクルミを手(前足)で転がし回しもてあそぶように、じゃれついたりちょっかいを出す様子のたとえです。


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 猫の寒恋(ねこのかんごい)
こたつネコ 寒さの嫌いなネコでも夏の暑い盛りには冬を恋しく思うということで、同じように寒がりな人でも真夏には冬を恋しがるということです。
そこから、現状に満足しない身勝手さをあらわすようになり、転じて、物には限度があることのたとえになりました。

 猫を追うより鰹節を隠せ
魚を食べるネコ

ネコに鰹節を食われてしまうのを恐れたえず番をしてネコを追い払うより、鰹節の方を隠す方が簡単に問題を解決することが出来ます。
そこから、些末なことより、根本を正せという例えになりました。
「猫を追うより皿を引け」「猫を追うより魚を除けよ」も同じ意味です。

 ちょっかい 
ちょっかいネコ もとはネコなどが前足の片方で物をかき寄せる動作をすることで、そこから他人に、からかい半分の気持ちで手出しをすることや、おせっかいをすること、または男がたわむれ心で女性に言い寄ることをいうようになりました。


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 小姑一人は猫千匹 
小姑猫 家族制度が巾をきかせ嫁の立場が非常に弱かった時代、
嫁にとっての小姑の存在というのは、猫千匹に匹敵するほど
非常に厄介な存在であったということです。

 猫の額
額の狭い猫 猫の額が狭いところから、土地や場所がきわめて狭いことを強調するときに使われます。

 猫が肥えれば鰹節が痩せる
カツオブシ食べる猫

カツオブシを食べたネコは太るが、かじられたカツオブシは痩せて細くなるということ。
一方が得をすれば他方が損をする、あちらを立てればこちらが立たぬということです。

 鳴く猫はネズミを捕らぬ
ダンス ネズミを良く捕るネコは鳴かないということから、やたらとしゃべる人はとかく口先だけで、実行が伴っていないということです。


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 猫をかぶる
ウィンクネコ

獰猛さを隠しあたかもおとなしいネコのように振る舞う事や人をいいます。
また、わらで編んだむしろ(=ねこ というそうです)をかぶるということから、知らないふりをするという意味もあり、「むしろ」の「ねこ」が、動物の「猫」とかけあって現在の意味になったのかもしれません。

 猫の落下
怒るネコ

猫は高いところから落ちて体勢が崩れても、クルリと回転して着地の時には地面に上手に降り立ちます。
これは高さにもよりますが、不思議なことに4、5階から落ちるよりも6、7階から落ちた時のほうが死亡率が低い、という報告があるそうです。
これには加速度が関係しているようです。
猫は落下している時、視覚で地面までの距離を判断して着地のタイミングを測りますが、加速度があるといつ地面に到達するのか判断不能になり、全身がこわばり着地に失敗します。
でも6、7階よりも上、30mぐらいから落下した場合、空気抵抗が大きくなって地面近くでは加速がなくなり等速度で落下するようです。およそ時速95キロと速い速度で落ちるけれど、加速しないので猫は着地のタイミングを正確に測ることが出来るのだそうです。

当院では、マンション10階のベランダから落下したが、かすり傷程度で助かったネコちゃんを診察したことがあります。いずれにしても高層住宅のベランダには、ネコちゃんを出さないように注意しましょう。


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 家出猫を呼び戻すおまじない
ネコはフラッと家を出たまま何日も帰ってこないことがありますが、そんな時に良く行われていたおまじない(?)をご紹介しておきます。 家出猫猫足
稲荷神社にお参りする
ネコとキツネは昔から仲の良い相棒のようなものとされていたので、お稲荷さんにお参りすると家出ネコが帰ってくるといわれています。
在平業平の歌を貼っておく
「立ち別れ いなばの山の峰におふる 松とし聞かば いま帰り来む」という在平業平の歌を、ネコのトイレや食事所に貼っておくと、きっと帰ってくると信じられていた時代がありました。
「 虎」と書いた紙を使う
「虎」と紙に書いて戸口に貼り文字の上にクギを打ったり、その紙をカマドに裏返しに置いておく。「虎は千里行って千里帰る」ということわざにあやかったおまじないです。

 皿なめた猫が科(とが)を負う
科を負うネコ

皿の上の魚を食べたネコが逃げてしまい、そのあと皿をなめただけの別のネコが捕まって罪を着せられるということ。
悪の張本人や主犯が捕まらずに、ちょっとだけ関係しただけの下っ端だけが捕まって処罰を受けるということです。


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 キャッツアイ Cat's-eye
魅力的な猫目

日本名も猫目石。球状の表面が光を屈折して、白い一本の光条が細くくっきり浮き上がり、その様子がまさに猫の目が光るときを思わせます。
その妖しい美しさからか、古代から悪霊を睨み返し退散させる力があると信じられていた宝石です。


 だまり猫がネズミを獲る
だまり猫?

あまり鳴かずに物静かで派手さの無いネコがよくネズミを獲るように、派手な行動をしないが黙々としている人が、人の知らない間に大事をなすものだということです。
また、無口な人は恐ろしいという意味にも使われます。

 夜はすべての猫が灰色に見える
猫が灰色

夜暗くなるとネコがみんな灰色に見えるようになります。
そこから判断材料に乏しいときは、全てのことが怪しく見える、というフランスのことわざです。


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動物に関る言葉のミニ辞典作成に際し、以下を参考にさせていただきました。
三省堂:広辞林、TBSブリタニカ:ブリタニカ国際大百科事典、角川書店:新国語辞典、小学館:新選漢和辞典、大修館:漢語新辞典、 三省堂:デイリーコンサイス英和辞典、川出書房:日本/中国/西洋/故事物語、動物出版:ペット用語辞典、 実業の日本社:大人のウンチク読本、新星出版社:故事ことわざ辞典、学習研究社:故事ことわざ辞典、Canon:国語/和英/英和/漢和/電子辞典、


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