HAH logo

◆ 動物に関る言葉のミニ辞典 ◆ の過去のお話(魚類1)


話を入れ替えた折、削除した過去の分のお話です。









     
 雑魚寝(ざこね)
雑魚?ザコ?ざこ? 雑魚は種々入り混じった利用価値のない小魚や小物のこと。そこから何人もの人が入り交じって寝ることをいいましたが、やがて宵祭り等に男女が集まって一夜を明かした風習や、色里で客と芸者が入り混じって寝ることもいうようになりました。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 鯉口(こいぐち)を切る
鯉口 鯉口とは刀のさやの口のことで、形が鯉の口に似ているところからそのように呼ばれたそうです。
「鯉口を切る」とは、すぐ刀が抜けるように鯉口をゆるめておくこと、
また、刀を抜く構えにはいることをいいます。
 釜中の魚(ふちゅうのうお)
サカナBちゃん サカナが煮られようとされていることも知らずに、釜の中で泳いでいることから、目前の危機や災いも知らずにのんびり安逸をむさぼること、また、生きていても先が短いことをいいます。

 鰹木(かつおぎ)
鰹木と千木 伊勢神宮正殿はじめ神社などの建物で、千木(ちぎ)と千木の間の棟木の上に、棟と直交させて並べた短い材のことで、形が鰹節に似ているのでこのように呼ばれるようです。 大棟を押さえるための補強材として置いたものの名残ですが、現在は千木と同様に装飾的に用いられています。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 鮎(アユ)と鯰(ナマズ)のワケありな関係
鮎・あゆ・アユ

「鮎」と「鯰」はちょっとワケありな関係で、それぞれ「アユ」「ナマズ」と読みますが、もともとは鮎をナマズと読んでいたらしいです。
   読みが変わったのは次の話が元になっています。
神武天皇が大和に進攻する際、敵に囲まれてしまったが、「酒を入れた瓶を川に沈めて魚が浮いてきたら建国が叶う」という夢を見て、実行したところアユが浮いてきました。 また神功皇后が西の国(朝鮮)に渡る前、「願いが叶うなら魚よかかれ」と祈って川に糸を垂らしたらアユが釣れました。
鯰・なまず・ナマズ いずれもいの結果としての魚はアユだったので、もともとナマズを指していたをアユに、鮎の字を奪われたナマズは同じ音(ネン)の鯰を当てたといわれています。中国では鮎はナマズで、アユは香魚と書きます。

 魚もおぼれる?
泳ぎを止められないマグロ
マグロなどは常に泳ぎ続けており、最高時速が160キロほどになることは知られていますが、こうした魚は泳ぎを止めると、生きていけません。
これは、泳ぐのをやめるとえらに水が流れなくなり、酸素不足になるためです。そのため、泳げないような狭い場所に入り込んだり、延縄などにかかり泳ぐスピードが落ちると溺れ死んでしまうというわけです。カツオやサメもそうです。



過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 鰻の寝床(ウナギのねどこ)
鰻の寝床 狭くて細長く奥行きの深い建物や部屋などのたとえです。

 鰯(イワシ)で精進(しょうじん)落ち
鰯(マイワシ)

「精進落ち」は魚肉類を一切食べずに、
菜食で身を慎む精進期間が終わって、
初めて魚肉類を食べることをいいます。

このせっかくの大事な時を、イワシのようなつまらない魚ですることから、つまらないことで、長い間の努力が報われなかったり、無駄になってしまうことを表しています。

 池魚(ちぎょ)のわざわい
城門が火事? 危ないサカナちゃん 城門が火事になったときに、火を消す為に堀の水をくみ出して空にしてしまったため、堀の魚が巻き添えを食って死んでしまった、という中国の故事から。
思ってもいなかったことに巻き込まれて、とんだ災難に逢うということをいいます。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 グチをこぼす
イシモチ(グチ)

言ってもしかたがないことを言って嘆くことや、言っても甲斐のないことを口に出してぶつぶつこぼすことをいいます。
イシモチという魚は低い音を出すので、グチをこぼしているように聞こえるからか、グチという俗称が付いています。

 鰻登り(ウナギのぼり)
鰻

物価・気温、地位などが見る見るうちに登ること。
ウナギが急流であっても、水の少ないところでも登っていくため、「うなぎのぼり」になったとする説と、 ウナギの体はぬるぬるしていて、捕まえようとしても、さらに上に登ってしまうことから、「うなぎのぼり」というようになったとする説があります。

 逃がした魚は大きい
逃がした魚は大き〜〜い!  WIDTH= 釣り落した魚は実物より大きく見える、
ということから。
手に入る寸前に失ってしまった物や機会は、
とても惜しい気がするものだ、ということです。



過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 河豚(フグ)食う馬鹿に食わぬ馬鹿
河豚

猛毒があるとわかっているフグを食べて、たかが魚のために命を失うのは思慮のない人がすることだが、だからといって、フグほどおいしい魚を食べないのも愚かなことだということ。
また、世の中には進んで危険を冒さなければ手に入れることができないものもあるというたとえでもあります。

 木魚(もくぎょ)
ポクポク木魚

ポクポクとお経につきものの木魚は心を和ませるような柔らかい響きで不思議なカタチですね。
中国から伝わったものとされており、元々は読経の時に叩く「魚板」と呼ばれる板だったのが、音の響きを追求して行くうちに現在のような形になったといいます。
その不思議なデザインは“眠るときも目をつぶらない魚”を模し、読経中に寝てしまわない為の「眠け覚まし」の意味が込められているといいます。


 ごまめの歯ぎしり
カタクチイワシ

実力や力量の足りない者が、いたずらにいきりたつことのたとえ。また、弱い者が、どうにもならないことに腹を立てて、くやしがることをいいます。
「ごまめ」は「かたくちいわし」という魚のことです。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 ニベもない
鰾膠(ニベ)

鰾膠(ニベ)は魚の名前、その鰾(うきぶくろ)から粘着力の強い膠(にかわ)が取れます。
"ニベもない"とは直訳すれば強力な接着力がないという事で、そこから愛想もそっけもないという意味に使われます。

 水魚の交わり
泣いて喜ぶおサカナちゃん

非常に親密な友情、交際などをあらわす言葉で、語源は三国志にあります。
劉備玄徳が三顧の礼をもって諸葛孔明を迎えたとき、関羽や張飛が劉備の孔明に対する傾倒ぶりを諌めます。
それに対し劉備が「自分が孔明先生を迎えたのは、魚が水に入ったようなものだ。」と言ったといいます。


 とどのつまり
鯔(ボラ) 日本人の魚に対する関心は非常に高いものがあり、成長につれて名前を使い分ける出世魚もその例です。
そんな出世魚の中でもひときわ有名(?)なのがボラで、次のように成長につれて名前が変わります。
 ハク ⇒ オボコ ⇒ スバシリ ⇒ イナ ⇒ ボラ ⇒ トド
ものの行き詰まりを「とどのつまり」と言うのは、ここから来ています。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 江戸っ子は 五月の鯉の 吹き流し 口先ばかりで はらわたはなし
五月の鯉の吹き流し 「吹流し」は風に泳ぐコイノボリのことで、吹き抜けになっていて腹の中が空洞になっていることから、
江戸っ子というのは気が短く、言いたいことをポンポンと発し、その言葉使いも荒っぽいのですが、腹の中は空っぽでさっぱりしており、物事にこだわらないということをいっています。 また、口先ばかり威勢が良くて、胆力がないという意味もあるようです。


 肴(さかな)
おサカナちゃん

「肴(さかな)」ということばの語源は、「酒菜(さかな)」で、「菜(な)」はもともと飯の副食物「おかず」のことを指していました。
つまり、「さかな」は「酒」の「おかず(=菜)」で、「酒のつまみ」ということです。
奈良時代から室町時代にかけて、「さかな」と呼ばれてたいものは、「塩」「スモモ」「味噌」などでしたが、江戸時代以降、魚肉が多く使われたため、次第に「さかな」といえば「魚肉」のことをさすようになりました。
本来、魚類全般は「いを」といっていましたが、「いを」から「うを」、「うを」から「うお」へと変化しました。すると不安定な母音の連続で言いにくくなったため、総じて「魚類」のことを「さかな」と呼ぶようになったといわれています。
また、「魚」は生きて泳いでいる「生物」のときは「うお」で、まな板の上に横たわった「食材」は「さかな」というともいえるでしょう。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 カマトト
蒲鉾は魚から作られます

本当は知っているのにちょっとおとぼけた少女のフリをするため「カマボコは魚(トト) から作るのかえ?」と尋ねるたのが語源といわれています。
知っているくせに知らないふりをすること。世慣れていないように振る舞うこと。また、そのような人のことで、多くは女性について用います。

 魚と大根を同時に食べる理由
焼魚

焼き魚ですと大抵一緒に大根おろしが付いてきますが、実はこの組み合わせには、味覚以外でも理由があるのです。
焼き魚は、たいていどこかしら焦げていますが、それには体に有害とされているトリプP1・P2と言う毒が含まれています。
大根おろしに含まれる硝酸塩は、唾液のバクテリアの作用で亜硝酸塩に変化し、この2つの毒を消去するのです。
・・と言うわけで焼き魚には是非大根おろしを・・。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 たらふく食う
タラフクタラ

腹いっぱいく食うことで、漢字で書くと「鱈腹食う」となります。
元々は鱈(タラ)の腹のように膨らんで、満腹になったという意味なのです。
タラは、大変貪欲な魚で、その胃の中からは、ありとあらゆる魚、鋭いトゲを待つカニまでもが出てくるというからその貪欲たるや凄まじいものらしいです。

 水清ければ魚棲まず(うおすまず)
魚環境

水が清らかすぎると、隠れる場所もエサも無いので魚は棲まないということから、
あまりに精錬潔白・品行方正な人は、かえって敬遠されて孤立してしまうということです。

 くさっても鯛(タイ)
真鯛

鯛はお祝いのときなどに食べるとても立派な魚。
その鯛のようにもともと価値があって素晴らしいものは駄目になってしまってもやっぱりそれなりの価値があるものだということです。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 サバを読む

「読む」は数えることで、都合のいいように数や年齢をごまかすことを意味し、江戸時代から使われています。
サバサバ

これには3つの説があると言われています。

  1. サバよみとは、「魚市(イサバ)読み」の上の部分が略されたもので、サバとは関係ないという説。
  2. サバは腐りやすい魚なので、急いで数えて売りさばく必要があるから、その時に数をごまかすことが多かったという説。
  3. 刺しサバ(サバを背開にして塩漬けにしたもの)は二枚重ねたものを一連として数える習慣があったので、二つずつ数えることを「サバよみ」というようになったという説。

 目黒の秋刀魚(サンマ)
秋刀魚焼

落語の演題。
世情にうとい殿様が、当時下賤とされていたサンマを、目黒に出かけたおり民家で食べたところ美味であった。
屋敷に戻って料理人に命じたが手をかけすぎて味が劣った。そこで“サンマは目黒に限る”といったという話。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る

 アンコウの待ち食い
アンコウ

アンコウは、暗い深い海の底にじっとしていて、背びれをゆらりゆらりとなびかせて魚たちを誘惑し、近づいてきたらその大きな口でパクリとります。
だから、自らはデーンと座っていて、目の前に並べられたものは片端から平らげるなことをいいます。


 金魚のうんこ
金魚金魚

金魚の糞が細く長く連なっていることから
ある人に付き従って離れない様をいいます。

 柳の下のドジョウ

前に捕まえたからといって、同じ柳の下でドジョウをまた捕まえられるとは限りません。
同じようなうまいことが2度も3度もあるわけが無いということです。


過去の話TOPに戻る 「魚類」に関する話TOPに戻る





[ ◆ 動物に関る言葉のミニ辞典 ◆ へ戻る ]







動物に関る言葉のミニ辞典作成に際し、以下を参考にさせていただきました。
三省堂:広辞林、TBSブリタニカ:ブリタニカ国際大百科事典、角川書店:新国語辞典、小学館:新選漢和辞典、大修館:漢語新辞典、 三省堂:デイリーコンサイス英和辞典、川出書房:日本/中国/西洋/故事物語、動物出版:ペット用語辞典、 実業の日本社:大人のウンチク読本、新星出版社:故事ことわざ辞典、学習研究社:故事ことわざ辞典、Canon:国語/和英/英和/漢和/電子辞典、


line2