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◆ 動物に関わる新聞記事(1) kiji01〜kiji40 ◆      
 野鳥飼育、罰則対象に 環境審答申

 環境相の諮問機関、中央環境審議会野生生物部会は8日、野鳥保護策の充実を求める答申をまとめた。メジロなどの野鳥の飼育を鳥獣保護法の罰則の対象に加えることなどが盛り込まれており、環境省は答申をもとに、改正法案を通常国会に提出する方針だ。 

 野山にいる約800種類のほとんどは、捕まえることが禁止されている。
 しかし、現在の鳥獣保護法では、違法に捕まえたことを立証しなければ取り締まることができず、しかも3年の時効があった。法が改正されれば、許可をうけずに飼っているだけで罰則の対象とすることができるようになる。

[ 2002/01/09 朝日新聞 ]
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 MRSA ヒトから動物への感染確認

 日本でも問題となっている院内感染の主要な病原菌メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)がヒトから動物に感染することが確認された。トロント(カナダ)のマウントサイナイ病院の研究チームが16日、米シカゴで開催されている米微生物学会で症例などを発表した、とAP通信が報じた。

 初めて確認されたのはペットの犬が感染した例。2000年1月にまぶたのできものを手術で除去した犬が抗生物質投与にもかかわらずMRSAに感染、飼い主が前年にがんの手術で入院した際、MRSAに感染していたことが分かった。遺伝子検査で菌は同一と判明したという。

 ほかにはサラブレッドが馬主から感染した例なども報告された。これまで犬の死亡例のほか、感染で足を切断した症例がそれぞれ1例あるという。

[ 2001/12/17 毎日新聞 ]
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 動物虐待 馬に餌与えず 元乗馬経営者を書類送検

 長野県警伊那署は4日、馬の世話を十分にせず2頭を衰弱させた動物愛護法違反(虐待)の疑いで、同県高遠町荊口(ばらぐち)の元乗馬牧場経営者(54)=同県茅野市=を長野地検伊那支部に書類送検した。昨年12月に改正・施行された同法に基づき、衰弱させた行為での立件は全国で初めて。

 調べでは、元経営者は3月ごろ、乗馬牧場で飼っていた馬2頭に十分な餌や水を与えず衰弱させた疑い。2頭はあばら骨が見えるほどやせ、4月に茅野市内の牧場に保護された。調べに対し、元経営者は「自分が体調を崩し、餌をやれなかった。芸を教え込む目的で餌をやらなかったこともある」と話しているという。

 この乗馬牧場では、1月にも別の馬2頭が死んだまま放置されていたが、同署は「死因が特定できない」として立件を見送った。乗馬牧場は現在閉鎖されている。

[ 2001/12/04 毎日新聞 ]
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 “酸素犬”で外出も楽々  ご主人様のボンベ カートで運びます

 呼吸器に障害を持つ人に代わって重い酸素ボンベを運ぶ“酸素犬”が26日、北海道稚内市でお披露目された。

 ラブラドール・リトリバーの「ベン」(オス、1歳1か月)。NPO(非営利組織)の「日本呼吸器障害者情報センター」(東京)が、同市在住のドッグトレーナー宮忠臣さん(56)に依頼して一年間の訓練を積んできた。酸素ボンベを載せたカートを引く介助犬は世界で初めてという。

 肺気腫などの呼吸器障害者は日常生活に酸素ボンベが欠かせず、外出時にはカートに載せたボンベを持ち運ばなければならない。しかし約2`と重く、人込みや段差のあるところを歩くのは一苦労で、障害者の多くが家に閉じこもりがちという。

 同センターの遠山雄二副理事長は、「全国に約20万人の会員がいる。酸素犬を盲導犬と同じように普及させたい」と話している。ベンは27日から、呼吸器を患う北海道恵庭市内の男性(70)の元で暮らす。しばらくは宮さんがついて訓練が続けられる。

[ 2001/11/27 読売新聞 ]
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 遺伝子情報を分析 犬の性格診断法開発へ

 盲導犬などの選別、育成に活用

 農林水産省の認可法人「生物系特定産業技術研究推進機構」は、遺伝子情報を活用した犬など家畜の性格診断法の開発に乗り出す方針を明らかにした。
 成功すれば、盲導犬や災害救助犬など、特殊な素質を必要とする犬の選別や、資質や性格に応じた訓練法の開発に役立てることができる。性格がおとなしく、ストレスに強い牛やニワトリの改良につなげることもできると期待されている。

 犬などの家畜は、品種によって「おとなしい」とか「物覚えがいい」といった性格に特徴があることが知られている。このような家畜の性格差(行動特性)には、脳の機能を調整する遺伝子が大きく関連しているとみられ、その遺伝子の働きを解明し、家畜の性格差との関連性を明らかにすることが狙いだ。

 具体的には、まず盲導犬に共通している遺伝子を調べ、それぞれの犬の性格にどのような影響を与えているかを分析する。
 実際の研究は岐阜大学農学部助手の村上美穂さんの研究チームに委託し、2003年度の基礎研究完成を目指す。

 村上さんによると、日本では盲導犬が不足しているが、背景には、育成に2年程度かかる上、ものになるのが3〜4割程度という厳しい事情がある。
 村上さんは「成功すれば、より短期間で、より効率的に盲導犬を育成できるようになる」と話している。

[ 2001/11/03 読売新聞 ]
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 体長12メートル巨大ワニ 西アフリカで化石発見

 約1億1千万年前の白亜紀前期に生きていた巨大ワニの頭部や脊骨の化石が、西アフリカのニジェールで見つかった。成長すると体長11〜12メートル、体重8トンに達したとみられ、これまでに見つかったワニ類では最大級という。米シカゴ大学のポール・セレノ教授らのグループが、26日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 発見されたのは「サルコスクス・インペラトル」と呼ばれるワニ類の祖先。成体の約80%の大きさに成長しており、完全に成長するまで50〜60年かかったとみられる。発見場所が内陸の河川のたい積物の地層だったことや、あごや歯の構造などから、魚だけでなく小型の恐竜をえさにしていた可能性もあるという。

 国立科学博物館の真鍋真主任研究官は「サルコスクスが見つかった同じ地層から、地上最大級の肉食恐竜の化石が見つかっている。当時の平均気温は今より数度高く、史上最高の温室状態だったと考えられ、環境と進化の観点からも興味深い」と話している。

[ 2001/10/26 朝日新聞 ]
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 ペット共生住宅 猫にマイクロチップ埋め込みを義務付け

 都市基盤整備公団は、東京都江東区潮見に建設中のペット共生住宅「潮見駅前プラザ一番街」(賃貸、145戸、来年3月入居開始)で飼われる猫について、飼い主などのデータを記録したマイクロチップ(電子標識器具)の埋め込みを義務化する。民間の集合住宅も含めてこうした試みは初めてという。

 ペット共生の公団住宅は全国で初めて。同公団は、「次の引っ越し先でペットを飼えない人が捨てていく恐れがある」との声が周辺住民から寄せられたことなどから、猫に限ってマイクロチップ埋め込みを入居の条件にした。「捨て猫を防ぐだけではなく、飼育者の責任を明確化することも狙いの一つ」と説明する。犬に関しては、狂犬病予防法の登録で識別可能と判断した。

 チップは長さ約11ミリ、直径約2ミリと小さく、動物の首の裏の皮下に専用の注射器を使って獣医師が埋め込む。超小型集積回路(IC)が入っているため、専用の読み取り機で識別番号の判読ができる。費用は数千円で飼い主が負担、データは公団が管理する。

 日本獣医師会では「副作用の報告例もなく生命には影響ない」と、チップ埋め込みを推進する。現在、愛知、福岡、静岡の3県の獣医師会で実施例がある。

 一部の動物愛好家らから「体に異物を入れるのは残酷」との声もあるが、日本動物愛護協会は「公団の義務化をきっかけに、チップの埋め込みが広がってくれれば」と歓迎している。

[ 2001/10/11 毎日新聞 ]
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 4本脚クジラ 骨格化石を発見

 発達した4本脚を持つ約4700万年前の原始クジラの骨格化石を、米国などの研究者がパキスタンで発見した。脚の骨格には、ブタやカバなどと同じ「偶蹄目」に属することを示す特徴があるという。21日発行の米科学誌「サイエンス」に掲載される。
 米ミシガン大とパキスタン地質調査所などのグループはパルスタン中西部のバロチスタン地方の地層から、動物の骨の化石を見つけた。骨格の構造を分析したところ、水生の哺乳類で、クジラの祖先にあたる2種類の新種の動物だと分かった。

 クジラの祖先はすでに絶滅した「メソニクス」と呼ばれる肉食動物で、約5000万年前に陸から海に移動したと考えられてきた。しかし、遺伝子の本体であるDNAの研究は、クジラはメソニクスよりも偶蹄目の動物に近いことが示されていた。グループは今回の発見を「クジラの祖先が偶蹄目だったことを決定づける証拠だ」と指摘している。

 見つかった化石のくるぶしはカバやブタのくるぶしとよく似ており、研究グループは「クジラが偶蹄目に近いことが裏付けられた」とみている。前脚の指にはひづめが残っていた一方、後ろ脚には水かきがあり、主に水生で、ときに陸上を歩いていたことを示しているという。

[ 2001/09/20 毎日新聞 ]
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 サル処分 タイワンザルと「混血ザル」を薬殺

 和歌山県は6日、和歌山、海南両市境で野生化したタイワンザルと、ニホンザルとの混血ザルを捕獲し、安楽死(薬殺処分)させることを正式に表明した。
 理由については「純粋なニホンザルの生態系かく乱防止のため」としている。対象は約200頭と推定され、県は10月にも捕獲の準備としてえ付けを始める。

 薬殺処分について、動物愛護団体などは反発を強めているが、記者会見した木村良樹知事は「長期間検討した結果。県民へのアンケート調査結果も尊重した」と話した。 

[ 2001/09/06 毎日新聞 ]
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 ニャンと街“公認”の野良猫 地域猫

 不妊手術し住民が世話 増加抑え共生へ 自治体も支援の動き

 飼い主のいない猫を「地域猫」と呼び、住民が協力して世話をする取り組みが広がっている。野良猫の増加を食い止め、住民同士の連携も高まるといった波及効果が期待されており、東京都が今年度からモデル地域を指定して支援するなど、自治体も地域猫に注目し始めている。

 東京都・新宿区の住宅街にある空き地の一角で、午後5時過ぎ、近くの主婦がえさの入った小皿を2枚置いた。耳にピアスを付けた猫2匹が現れて食べ始めた。「猫達はこの時間を待っているみたい」

 地元の主婦らが12匹の地域猫を世話しているこの地域は、東京都のモデル地域第一号。すべての猫に不妊去勢の手術が施され、耳のピアスはその証明だ。都には活動内容を地域の人に理解してもらうためのチラシ作りなどで援助を受けている。

 活動が始まったのは昨年から。空き地に住みついた野良猫に近所の人がえさをやっていたところ、数が増え、苦情が寄せられるようになり、地域猫の手法で育てることになったという。「猫の世話を通して、あまり知らなかった住民とも会話を交わすようになりました」と、活動メンバーの1人、主婦の飯塚早苗さん(43)は話す。

 地域猫は、苦情も多い野良猫の数を増やさないために、地域ぐるみで育てようという取り組みだ。「エサ場やトイレを設け、掃除をする」「猫に不妊去勢手術をする」といったルールを定め、「街と猫との共生」を図る。野良猫を巡って、猫好きと猫嫌いとが対立するケースも多い地域の紛争解決の有効な手立てになるとして、動物愛護団体の協力もあって、ここ数年、各地で広がりを見せている。

 しかし、地域猫を育てる取り組みは、猫の好きな住民や動物愛護団体などによる自主的な活動として続けられており、地域の理解を得るのに苦労している面もある。

 NPO法人(特定非営利活動法人)「ねこだすけ」(東京)の工藤久美子代表は「野良猫の数をコントロールしようというのが、地域猫の考え方。地域全体で取り組むことが必要で、行政のバックアップは大事」と話す。

 今回、都が支援を始めたのは、野良猫対策として、地域猫の試みが有効と判断したためだ。具体的には、地域猫の活動のPRに協力したり、不妊去勢手術の資金が集まらない場合は、年間10匹を上限に、都動物保護相談センターで無料で手術を行う。今年度中に、新たに2か所をモデル地域に加える予定で、今後3年間に約10か所を指定する計画を立てている。

 地域猫への自治体の支援は、2年前、横浜市磯子区が取り組んだのが最初。東京は2か所目で、まだまだ始まったばかりと言えるが、他の自治体からの問い合わせもあるという。日本動物福祉協会(同)の山口千津子調査員は「今後、行政の支援が活発になることを期待したい」と話している。

[ 2001/08/23 読売新聞 ]
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 活動の場もっとひろげて 障害者支える犬 認知度低く電車にも乗れず  

 「愛犬に、『盲導犬』と同じような訓練を自費で受けさせたのですが、結局、盲導犬とは認められず、電車などには一緒に乗れませんでした。つらい思い出です」・・・。
 こんな投書(6月20日)を寄せた千葉県の会社役員、森迫久恵さん(69)は、障害者の生活を支える「犬」たちへの理解を呼びかける。こうした悩みは、今後、解消されるのだろうか。

 森迫さんが、失明したのは20年ほど前。盲導犬訓練施設に、盲導犬の貸与を申請したが、犬の数が少ないこともあって断られた。そこで、知人から譲り受けたゴールデンリトリバーを、警察犬訓練所に、費用55万円で預けた。

 「ユキ」という名の、この犬は、10ヶ月の訓練を受けた。この結果、他人にはほえず、命令にはよく従い、約10年間、森迫さんの「欠かせないパートナー」として、盲導犬の役割を果たした。

 ただ、道交法で定める“正式”な「盲導犬」ではないため、ハーネス(胴輪)の装着は許されず、交通機関の利用、飲食店への出入りは断られた。「盲導犬」は、国家公安委員会が指定する訓練施設(全国9ヶ所)でトレーニングを受けることなどが条件となっているためだ。

 同じような障害者を支える「介助犬」「聴導犬」の場合は、どうなのだろうか。これらの犬も、民間の訓練施設で訓練を受けているが、道交法の対象ではないため、「ユキ」と同様、乗り物への同伴は認められていない。

 だから、今春、同志社大に入った車いすの女性の介助犬は、JRや飛行機に乗るため、各社のテストを受けなければならなかった。この犬は、試験官の差し出すおにぎりや、見知らぬ女性になでられることにも、動揺を見せず、試験をパスした。
 大阪市の主婦の聴導犬もこの春、JR西日本の試験を受けて同伴が認められた。「周囲に迷惑をかけないしつけは、特別な施設でなくても十分にできる」と、日本介助犬トレーニングセンターの担当者は言う。

 「ユキ」も、こうした個別の試験を受ければ、合格する能力はあったようだが、森迫さんのように、このような交通機関側の対応を知らない人は多い。

 米国では、盲導犬や介助犬、聴導犬がそれぞれ数千頭レベルで活動しているという。一方、日本の盲導犬は875頭(今年3月)、介助犬や聴導犬も20頭前後にとどまっており、こうした犬たちの活動の場を広げようという動きも出てきた。

 小泉首相も名を連ねる超党派の「介助犬を推進する議員の会」は、盲導犬と介助犬、聴導犬を一括して「身体障害者補助犬」と位置づけ、公共施設などへの出入りを認める法案を検討している。 「補助犬として認定する施設を増やしていき、どこで訓練を受けた犬でも、一定の能力さえあれば、補助犬として積極的に認めるようにしていきたい」と事務局では説明する。

 「ユキ」は、今年6月に死んだが、森迫さんは「ユキのような犬が、補助犬として電車に乗れる日が、早く来るといいですね」と話している。

[ 2001/08/12 読売新聞 ]
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 位置情報PHS カラスの生態調査に採用

 徘徊老人や子供の居場所の確認に使われるNTTドコモの位置情報PHS「ピードコ?ミニ」が、自然動物の生態調査にも役立っている。東京・上野動物園でカラスの生態を調べている樋口広芳東京大教授(鳥類生態学)のグループが今春から採用。さらに野生動物の生態調査に利用できないかとの問い合わせも増えている。

 ミニ(実勢価格1万〜1万5000円)は縦5・1センチ×横3・4センチで、重さは約27グラム。待ち受け専用の小型PHSで、今年2月に発売された。専用番号にかけると、ミニが電波を受発信。受け手は、パソコンやファクスで「所持者」の現在位置がわかる。7月末までに、関東甲信越だけで2070台の契約があった。

 樋口教授は一昨年夏、別のPHSを縛り付けたカラス20羽をパソコンで追跡調査をしたが、半数しか捕捉できなかった。そこで今年4月、ミニを10羽の背中に縛り付けて試したところ、巣にすぐ戻った1羽を除き、残り9羽すべての移動状況を捕捉できたため、今後もミニで継続調査する予定だ。

 また、東京に生息するリスやムササビの研究者からも「使い方を教えてほしい」との要望が増えており、樋口教授は「PHSの基地局が多い都市部の野生動物調査には、好都合」と話している。

[ 2001/08/11 毎日新聞 ]
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 ペットの存在はIT社会に大切

 IT(情報技術)社会の進展は、働くことの時間的、空間的制約を取り払う。ネットワークの力を借りれば、働く場所は自由に選ぶことができるからだ。
 そこで増加するのがホームワーカーと呼ばれる、家で仕事をする人たちだ。

 ホームワーカーの増大は様々な家庭内の「騒動」を巻き起こした。子供たちは始めのうちは、お父さんやお母さんが家にいることを喜ぶ。平日の昼間からバーベキューをしたりする。だがすぐに飽きてしまう。
 お父さんが在宅勤務になった家庭では、お母さんは少々困り顔だ。「昼間から家にいるご主人ってどんな仕事しているの?」とご近所に詮索されるのがツライという。家人の在宅を純粋に喜んでいるのは、飼っている犬ぐらい、ということになる。

 そのペットだが、IT社会との関係は非常に密接なのだ。在宅勤務の増加で潤ったビジネスの一つはペット産業だ、という説もある。

 ストレスとの関連もある。無機質なパソコンの画面に向き合っていると、どうしてもイライラが増加してくる。この対策には何かフワフワしたもの(フラッフィーという)に触るのが効果的だ、ということになってきた。
 この「フワフワ」の典型が犬や猫のお腹というわけだ。最近では犬を社員にしている会社も増えてきたし、ペットはIT社会におけるサバイバル術には欠かせない重要なアイテムとなってきた。

 ペットの方も、IT社会に適応し始めた。メールが届く音に反応するようにしつけて、「メールお知らせ犬」になった犬もいる。
 我が家の犬はパソコンの電源を切る時の「ポヨヨーン」という音に反応する。散歩につれていってもらえると思って尻尾を振って喜んでいる。
 これも立派な「犬のITライフスタイル」ではある。

[ 2001/08/07 読売新聞夕刊 ]
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 ペットのいない生活は寂しい?

 ポーラ文化研究所(東京)が、「現代女性のペットへの思い」について、首都圏の15〜64歳までの女性910人にアンケート調査を実施、10年前の調査と比較した。

 それによると、「現代ではペットのいない生活は寂しい」と感じている女性は30%、「そうでない」人は42%だった。10年前の調査では、「寂しい」が20%、「そうでない」が49%で、ペット無しの生活を寂しく思う女性が大幅に増えていることが分かった。

 年代別に見ると、「悩み多き世代」の15〜23歳と、子育てなどが一段落した50〜54歳は、それぞれ約4割が「寂しい」と感じていた。
 30〜34歳未満では、未婚者の39%が「寂しい」と回答、既婚者は15%しかおらず、未婚者との差がはっきり出た。

 いずれにせよ、孤独感を和らげてくれるペットの存在はますます欠かせなくなっているようだ。

[ 2001/07/23 読売新聞夕刊 ]
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 迷い犬・猫を保護されているペットから検索する新システム

 「雄の柴犬、ノミ取り首輪つき」。迷い犬・猫の増加に悩む京都市は、保護されているペットの中から、毛色や種類などで検索するシステムを8月から導入する。

 昨年度は家庭動物相談所に473匹の捜索願と381匹の保護の届け出があった。迷いペットの半分が見つかったものの、数百匹のデータを手作業で照合するのは大変だった。

 新システムは動物のデータだけでなく、目を離して何度も逃がしてしまった飼い主の記録もしっかり残す。
 ご主人様、検索されて指導されぬように・・・・。

[ 2001/07/22 朝日新聞 ]
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 交通事故トラブルにカッ! 犬を殺し「懲役3年」 米加州

 米カリフォルニア州サンノゼのカリフォルニア州上級裁判所は13日、交通事故を起こしてかっとなり、相手の車に乗っていた犬を道路に投げ捨てて殺した27歳の男性に対し、動物虐待罪では最も重い懲役3年の実刑判決を言い渡した。

 この事件は、昨年2月、B被告がサンノゼ市内で軽い交通事故を起こした際、口論の末、相手の車に乗っていたビションフリーゼ犬を道路に投げ捨てたもの。犬は走ってきた別の車にはねられ死亡したが、B被告はそのまま立ち去った。

 この事件には動物愛護団体などが強く反発し、犯人探しの有力情報を提供した人に与えられる懸賞金のための寄付が12万ドル(約1500万円)も集まるなど、地元でも注目を集めていた。

 判決を前に、B被告は「犬が生き返るなら、どんなことでもする」と反省の気持ちを述べたが、判事は保護観察官が出していた「執行猶予が妥当」との見解よりもはるかに重い、最高刑を言い渡した。ただ、別の交通事故をめぐるトラブルで若い男性が死亡した事件では、9ヶ月の実刑判決が出たばかりだけに、B被告の婚約者は、「人間よりも犬を殺した罪が重いのか」と反発している。

[ 2001/07/14 読売新聞夕刊 ]
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 希少動物 種の保存法違反容疑で婦人服店代表を逮捕 警視庁

 ワシントン条約で取引が禁止されているウシ科のほ乳類「チベットアンテロープ」の毛皮を使った高級ショールを販売していたとして、警視庁生活経済課は9日、東京都渋谷区の婦人服店経営、S容疑者(46)を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)違反容疑で逮捕した。

 調べでは、S容疑者は4月ごろ、チベットアンテロープの毛皮を使った高級ショール「シャトゥーシュ」2枚(計80万円相当)を渋谷区代官山の店で販売していた疑いが持たれている。

 世界自然保護基金ジャパンなどによると、チベットアンテロープは、中国、インドの高原に生息。滑らかな毛が人気で「ウールの王様」とも呼ばれ、年間約2万頭が密猟されている。

 20世紀初頭には約100万頭いたといわれるが、乱獲が続き現在は推定7万5000頭以下だという。
 警視庁は、顕微鏡検査でアンテロープの毛と確認し、摘発に踏み切る方針を固めた。

[ 2001/07/09 毎日新聞 ]
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 ペット愛好家調査 4割が「遺影を飾り供養」

 動物を飼っている人の4割が、ペットが死んだら遺影を飾って供養したいと思い、2割が自分のひつぎにペットとの写真を入れてほしい。フィルムメーカーのコニカが実施した首都圏のペット愛好家の意識調査からこんな結果が出た。

 4月から5月にかけて行い、161人から回答を得た。ペットは犬と猫が大半だった。
 ペットの写真を撮る理由は「家族の一員」が7割近くを占める半面、「他人のペットや動物の写真を撮るのも好き」と答えた人は2割弱。「成長したらあまり撮らなくなった」は3割。

同社は「ペットに対しても『親ばか』だったり、人間の写真事情と似ている」と分析。さて、あなたは。

[ 2001/06/28 毎日新聞 ]
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 希少動物を保護する条例を可決 鹿児島・大和村

 鹿児島県奄美大島の大和村議会は20日、村内に生息する国の特別天然記念物アマミノクロウサギなど希少動物の捕獲などを禁止した「野生生物保護条例」案を全会一致で可決した。環境省のレッドリストを基に、希少動物98種を対象としている。環境省によると、市町村レベルで希少動物を広く保護する条例は初めてという。

 条例は、村内の野生生物を「貴重な存在」とし、生物との共生を「村民の豊かな生活に不可欠なもの」(1条)と位置づけ、野生生物の殺傷・捕獲を禁じている。

 対象はアマミノクロウサギやアマミトゲネズミなど国の天然記念物9種と、環境省のレッドリストに掲載され、絶滅の恐れのあるアマミヤマシギなどの野鳥、リュウキュウアユといった魚類、は虫類なども含め98種。村立森林公園(12ヘクタール)のうち6ヘクタールを「保護区」と指定し、区域内では植物の伐採・採取も規制する。

 罰則規定はないが、村民の責務として「野生生物保護に寄与」(8条)することを求め、村は「保護監視員を置く」(11条)としている。玉利竜吉村長は「次の世代に遺産を継ぐために制定した。村民の保護意識を条例制定で高めたい」と話している。

 環境省野生生物課は「県レベルでウミガメなど特定種の保護条例はあるが、広く絶滅の恐れのある種を対象にした市町村レベルでの条例は前例がない。先進的な取り組みと言える」と評価している。 

[ 2001/06/20 毎日新聞 ]
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 コーディネートは愛犬と  おしゃれライフ

 女性誌が最近、軒並みペットとの生活を特集してる。
ペットはいまや現代生活に欠かせないパートナー。おしゃれも当然ペットとセットで完結する。中でも流行しているのが犬との組み合わせファッションだ。

 2001〜2002年秋冬東京コレクションでコシノジュンコさんは、ダルメシアンを主人公にしたディズニー映画「102」をモチーフに、犬と人とのコーディネートを発表した。カジュアルなお散歩服ではなく、毛皮やレザーを使ったゴージャスな作品が次々と登場。「ペットのほっとする温かみやユーモアが都市生活には欠かせない。いろんな場面で、互いを引き立て合う、犬との生活スタイルを提案した」とコシノさん。

 犬を連れて入れるカフェやレストランも急増中。おしゃれな空間に似合うように、首輪や引き綱など犬用グッズのデザインもあか抜けてきた。

 東京・新宿にあるファッションと生活雑貨を扱う「コムサストア」には、人の洋服と並んで、犬用の雨具が並ぶ。

 昔、小さな家で子犬といとしの男性と暮らすのが夢と歌った歌謡曲がはやった。でも、いまも、子犬の横に「アナタ」が必要なのかどうか・・・・。

[ 2001/06/15 読売新聞夕刊 ]
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 犬を虐待  胴体を電気コードで縛られた犬を救出

 栃木県塩原町関谷で28日、胴体を電気コードで縛られた犬が目撃され、同県動物愛護指導センター(宇都宮市今宮)などが30日朝、救出した。麻酔をかけてコードを外したが、腹にコードが食い込み衰弱している。命は助かる見込み。

 28日、通行人からの通報を受け、センターと町役場がドッグフードを入れたおりを設置。30日早朝になっておりに入っていた。雑種で雄の白い中型犬で生後2〜3年。約60センチのよじれた電気コード3本が結ばれていた。数カ月以上前からこの状態で生きていたと見られる。

 センターの所長は「何の目的か分からないが、いたずらにしてはひどすぎる」と話している。

[ 2001/05/30 毎日新聞 ]
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 新種ほ乳類化石 1億9500万年前の化石が中国で出土

 新種のほ乳類化石が中国の1億9500万年前の地層から見つかったと、米国と中国の共同研究グループが25日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。推定体重は約2グラム、化石の残るほ乳類では最小とみられる。現存のほ乳類に近い形態を持つ最古の化石で、ほ乳類の起源と進化史の解明に役立ちそうだ。

 化石は中国雲南省の中生代ジュラ紀初期の地層から発見された。米カーネギー自然史博物館のゼージー・ルオ研究員ら米中の研究者が分析した結果、新種のほ乳類と分かり、「大型の頭」を意味する「ハドロコディウム」と命名した。  

 ハドロコディウムは体長4〜5センチ。全身が毛に覆われ、ネズミに似た姿をしている。長さ1・2センチの頭骨を調べたところ、下あごが1個の骨で、中耳骨が下あごから分離していることが分かった。現在のほ乳類に見られる特徴で、は虫類は中耳骨に相当する骨があごにつながっている。

 同グループは「同型の頭骨の動物に比べて、頭脳が大きい。拡大した頭脳が中耳骨を押し出し、あごから分離させたのではないか」と推測する。

 現在知られている最古のほ乳類は、約2億2000万年前に出現した「モルガヌコドン」など初期亜ほ乳類と呼ばれる小型動物だが、中耳骨はあごから完全には分離されていない。現在のほ乳類に近い骨格を持つ化石は約1億5000万年前の化石が最古だった。今回の発見で約4500万年さかのぼることになる。

[ 2001/05/25 毎日新聞 ]
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 引き綱なし、犬の天国 ドッグラン 運営のカギ握る「マナー」

 好奇心いっぱいに動き回るレトリバー、スズメを追って駆けるヨークシャー。甲子園球場グランドの半分近い広大な敷地で、犬たちがのびのびと遊ぶ。その様子を飼い主がゆったりと見守っている。

 神戸市中央区の「ドッグラン21」は市が震災復興記念事業の一つとして約2ヶ月の期間限定で設営した犬の公園だ。ニューヨークなど欧米の都市に多い愛犬公園をまねた。事業の終わる6日までは引き綱なしの犬の天国だ。

 運営を担当するのは人と動物の共生を考えるNPO(非営利組織)法人「ノッツ」。代表のTさんは「いつもはつながれている犬も、ここでは仲間と存分に走り回れる。その様子を写真に撮るなど、飼い主の方もうれしそうです」と話す。

 ずっと人と動物が良好な関係を築くためのイベントや相談を手がけてきた。「ランは、ペットを飼えない人が犬と触れ合う場になります。犬を仲立ちに、お年寄りと若い世代が知り合いになることもあるんですよ」

 問題もある。フンを放置したり、路上で引き綱を外したりする飼い主が、隣近所や犬が苦手の人を困らせる。そこで神戸のランではマナー浸透のため、入場条件を設けた。

 まず、自治体発行の犬鑑札と狂犬病予防注射済み票を持参して見せなくてはならない。連れて入れるのは一人一匹だけ。飼い主の号令が聞けない犬は、引き綱を外せない。

 登録されているだけで全国の犬は565万頭という空前のペットブーム。それに少子化が重なり、今や犬は家族の一員だ。犬が主役の公園、ドッグランを望む声は各地で大きくなっている。それなのに全国で公営ランが数か所にとどまっているのは、「作るだけでなく運営の方法が問われる」から。

 民間の動物愛護団体が請け負ってルールを明確にした神戸の運営方法は、さいたま市、大阪府熊取町など、ドッグラン開設を予定する自治体からも注目の的。しあわせそうな犬の姿の向こうに、人と犬が折り合う道が見えるだろうか。 

[ 2001/05/01 読売新聞 ]
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 「聴導犬」同乗OK JR西日本

 JR西日本は19日、聴覚障害者の生活を手助けする「聴導犬」の電車内同伴を大手鉄道会社で初めて認め、大阪市阿倍野区の主婦Kさん(62歳)が同日午前、聴導犬「みかん」(メス、2歳)とともにJR阪和線の電車に乗車した。

 Kさんは1歳の時に病気で聴覚を失い、外出時は夫らに頼っていたが、昨年1月に「日本聴導犬協会」(長野県宮田村)からみかんを貸与され、行動範囲が広がったという。

 Kさんは昨年7月、JR西日本に同伴乗車を申請。同社は同8月と今年2月に試験を行い、みかんが乗客を威嚇しないことなどを確認し、「聴覚障害者の日常生活に不可欠な存在」として乗車を認めた。

[ 2001/04/19 読売新聞夕刊 ]
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 犬・猫OKの賃貸 都市公団供給へ

 ペット共生にこたえ 来年3月に入居予定

 生活に潤いや安らぎを求めて犬や猫を飼いたいと言う声にこたえて、都市基盤整備公団が7日、賃貸の「ペット共生住宅」を初めてつくると発表した。

 飼育できるのは、これまでも可能だった小鳥と魚類のほかに、犬、猫、ウサギ、ハムスター、モルモット、フェレット、リスに限る。しかも、緊急時の管理や近隣への影響などを考えて、犬と猫は体重10`以下のどちらか一匹だけに制限する。

 第一号住宅は東京都江東区のJR京葉線潮見駅前の11階建て1棟(150戸)。入り口に足洗い場や汚物処理場をつくり、居間のドアにくぐり戸をつけるなどの工夫をする。飼育規制も定める。
建設費が一戸あたり約15万円高いため家賃は少し高くなりそうだ。来年3月入居予定で、今年秋ごろに入居者を募集する。

 公団はほかに、一、二棟でペット共生を試し、トラブルがなければ増やしていく考えだ。既存の賃貸住宅はこれまで通り小鳥と魚類以外は飼育禁止とする。

[ 2001/02/08 朝日新聞 ]
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 真冬でも飼い猫の19%にノミがいる

 こんな結果が、医薬品販売会社が昨年1月末から2月上旬に全国の動物病院を通じて行った調査で出た。

 ノミは温度13〜27度で活発になるという。調査時の平均気温が零下0.7度という青森県でも一割の猫にいた。外気温に関係なく、体温や室温が生息に十分な環境なのだろうと分析している。

 屋外を出歩いたり外で飼われたりしている猫は33%と、室内で過ごす猫の3倍にノミがいた。自由に外で遊ばせると「ムシ」が付きやすいのは、猫の世界も同じようで。

[ 2001/02/04 朝日新聞 ]
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 ドッグラン現場ルポ  自由な遊び場 飼い主同士も仲良く

 しつけ、自分の責任で

 横浜市青葉区鉄町に昨年10月、引き綱なしで自由に犬を遊ばせたり、しつけたりできる広場「ドッグラン」がオープン。週末には40頭以上の犬が利用するほどの人気を呼んでいる。

 自宅近くの約430平方bの土地を解放したSさんは、「自分の犬の遊び場作りがはじまり」と語る。知人からフェンスなどを譲り受け、自らの手で広場を造成。完成直前に公園などにドッグランを設置するように横浜市に働きかけてた「青葉ドッグランネットワーク」の存在を知り、広場の提供を申し出た。

 最初に登録すれば、利用は無料。「そのかわり排泄物の始末や犬同士のけんかなど、すべてが飼い主の自己責任」とSさん。利用者はすでに400人を超えたが、トラブルはない。「犬を通じて、飼い主が仲良くなり、マナーの向上にもつながっている」という。

 同ネットワーク会長のH横浜市議は「犬のしつけに不可欠なドッグランは本来、行政が作るもの」と訴える。全国的にも少ない公的なドッグランを普及させるには、自らの責任で利用し、管理するという姿勢が、飼い主にも求められるだろう。Sさんの新しい試みは、そのモデルと言えるかもしれない。

[ 2001/01/28 読売新聞 ]
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 犬をつながずけが負わす 飼い主の女性逮捕 傷害容疑で

 飼い犬をひもから外していて、住民にかみついてけがをさせたとして、愛知県警東海署は27日、犬の飼い主、同県のH容疑者(43)を傷害の疑いで逮捕した。
同県からの再三の指導に従わず、約2年4ヶ月に計9回にわたって住民にけがを負わせたのは未必の故意に当たるとして異例の逮捕に踏み切った。

 調べによると、H容疑者は今年9月2日午後8時20分ごろ、ワゴン車に飼い犬3匹を乗せて帰宅した際、車のドアを開けて犬を外に出したところ、3匹のうち1匹の雑種犬「キコ」(4歳、メス)が飛び出し、近所の女性会社員(24)の右太ももにかみつき、一ヶ月半の重傷を負わせた疑い。 

 H容疑者は「キコ」のほかに、雑種犬「ペロ」(4歳、メス)とラブラドールレトリバーの「ナナ」(6歳、メス)を飼っている。3匹とも体長は1メートル20〜30。しかも、ひもなどでつながずに散歩をさせていた。

 住民からの苦情が相次ぎ、愛知県動物保護管理センター知多支所は、県の「犬による危険防止条例」に基づいて再三にわたり、H容疑者に文書で指導していたが従わなかった。

[ 2000/11/27 読売新聞夕刊 ]
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 介助犬と大学に

 岐阜の21歳 来春、全国初

 交通事故で両足が不自由となり、介助犬の手助けを受けている岐阜県川島町の館林千賀子さん(21)に23日、同志社大学文学部社会学科新聞学専攻から推薦入学の合格通知が届いた。
日本介助犬トレーニングセンター(京都)によると、介助犬と暮らす人が大学に合格したのは全国で初めてという。

 館林さんは県立岐阜高校を卒業する間近の1998年1月末、交通事故で脊椎を損傷。自宅に引きこもりがちだったが、昨年11月、インターネットで介助犬センターのホームページを発見。ラブラドールリトリバーの「アトム」(オス2歳)を貸与され、社会復帰に向け訓練を重ねた。

 志願倍率9.3倍狭き門を突破した館林さんは「うれしくて涙が出た。私がソワソワしているのを見て、アトムも合格がわかったみたい。まずは動物を受け入れてくれるバリアフリーの部屋を探さなければなりません」と抱負を語った。

[ 2000/11/24 読売新聞 ]
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 ペットフード 品質の安全性の指針 農水省作成へ

 農水省は4日、急速に市場が拡大したイヌ・ネコ用のペットフードに対して、飼育者が安心して使用できるよう品質の安全性に関するガイドラインの作成を検討する方針を明らかにした。 専門家による検討委員会を設置し、2001年度から3年間はペットフードの成分分析や実態調査、海外の規制事例などを調べ、将来的には安全認証マークの創設も考えている。 ペット霊園が開設されるなど、今や家族同様の待遇を受けているペットだが、「エサ」も人間が食べる食品並みに昇格しそうだ。

 ペットフード工業会調べでは、全国のイヌの飼育頭数は956万頭で、5世帯に1世帯が飼育。ネコは754万匹で6世帯に1世帯が飼っていることになる。 ペットフード市場も急速に伸び、総出荷額は輸入と国産を合わせ2400億円に上る。業界の公正競争規約で、栄養成分や原材料表示などの規定はあるが、品質の安全性に関する規定はない。

 一方、雪印乳業の集団中毒事件以来、ペットフードにも苦情が目立つようになった。昨年は10件程度だったのが、今年は7月から10月までで20件以上も同省に寄せられた。 「ネコ用缶詰に虫が入っていた」「食べたら病気になった」「イヌのドライビーフにカビが生えていた」などだ。同工業会には、「ペットフードを食べさせてワンちゃんが下痢をした」とのクレームも。

 これらの背景もあり、農水省では、飼料の安全性の確保などを規制した法律を参考に、ペットフードにも添加物の規定や、異物混入防止などに関係する基準をガイドラインで示す方向で検討する。 同工業会でも「ここまで市場が成長したのだから、オフィシャルなガイドラインが必要だ」と話している。

[ 2000/11/06 毎日新聞 ]
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 アイ2世将来有望
 表情まね、新生児微笑も アユム誕生から半年

 言葉や数字を理解することで知られる京大霊長類研究所(愛知県犬山市)のメスのチンパンジー「アイ」が、4月末にオスの赤ちゃん「アユム」を出産してから半年。 アイの子育てを見守ってきた松沢哲郎教授(比較認知科学)が30日に記者会見し、「チンパンジーは人間よりも緊密な親子関係にあると感じた」などと話した。

 アユムの体重は3750グラムと、出世時に比べてほぼ倍増したと推定され、歯も上下6本ずつ生えているのが確認されている。 ヒトの赤ちゃん特有とされる、自然に笑みを見せる新生児微笑や、表情をまねる新生児模倣といった反応も観察されたという。

[ 2000/10/31 朝日新聞 ]
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 救急病院欲しいんだワン

 都獣医師会が必要性訴え 人間並み現代病 夜間需要も急増

 病気のペットを救急車で運び、24時間体制で治療する・・・そんなペットの「高度医療センター」構想を、東京都獣医師会(辻弘一会長)がきょう28日、東京・文京区で開かれる特別講習会で打ち出す。

 80年代以降の爆発的なブームの中で、ペットの種類は多様化している。一方で、栄養過多の食生活を背景に、高齢化による循環器系の疾患や糖尿などの現代病が急増。過去にデータのないような、”奇病”が現れている。

 夜間診療の需要も増えるばかりだ。

 しかし、がんや心臓病などの治療には、MRI(核磁気共鳴映像法)などが可能な一台数千万円の医療設備が必要な場合もあり、施設が不十分な開業医での対応には限界がある。

 こうした状況を改善しようと、都獣医師会は昨年4月、開業医が対応できないペットを獣医科がある東大、東京農工大、日本獣医畜産大の三大学病院へ回す紹介システムを設けた。 しかし、研究が中心の大学病院には受入数に限りがあり、夜間や休日の救急医療には応じられないという。

 辻会長は今後、都などへも実現に向けた努力を求めていく方針だ。

[ 2000/10/28 読売新聞 ]
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 ペットは家族 共生進む  (ドッグランに関する部分のみ掲載します)

 問われる飼い主のモラル

 欧米には、引き綱をつけず犬を運動させられる犬専用の「ドッグラン」があり、これを国内でも普及させる動きが広がっている。

 ペットを販売するS産業は昨年から、千葉市と東京・二子玉川に約1000平方メートルの犬専用公園「ドッグパーク」を開設した。 高さ1.5メートルほどのフェンスに囲まれた園内には、犬用遊具を置き、消臭効果の高い砂を敷き詰め環境にも配慮。日中は指導員も立会い、初心者には遊ばせ方などの相談にも乗る。 会員制だが、ビジターも3時間1500円で利用できる。週末には約100頭の犬でにぎわうという。

 同様の公園は、北海道、秋田、長野などに公営、民営含め数ヶ所ある。愛犬家たちが出資しあい、自前でドッグランを設けた地域もある。

 地域の愛犬家を中心に、公園内にドッグランを求める声は多いが、一方で犬の糞尿の始末や放し飼いに対する住民の苦情も多いのが現状だ。

 東京都公園緑地部によると、都立公園では引き綱をつけての散歩は認めているが、放し飼いは禁止。公園内に犬だけのスペースを作るのは難しい、という。

 インターネットで犬と人間の共生を考えるサイト「リビング・ウィズ・ドッグス」を主宰する牛島幹子さんは、「ドッグランができても、一般の公園に犬が立ち入り禁止になるのでは本当の共生とはいえない。 地域住民の理解を得るためにも子どもとのふれあいイベントや、ふん、ごみ拾い活動をするなど飼う側のモラルの向上がまず重要」と話している。

[ 2000/10/26 朝日新聞 ]
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 「ペット共生住宅」急増中

 専用の洗い場、傷つきにくい内装・・・ 業者、知恵絞り発売

 犬や猫の習性に配慮した一戸建て住宅や、ペットと一緒に暮らせる分譲マンションなど、このところ「ペット共生」タイプの住宅商品が相次いで発売されている。
少子・高齢化を背景にペットを「家族の一員」とする考えが広がっていることや、ストレスがたまりやすい都市部などで動物に「癒し」を求める人が増え、ペット対応住宅のニーズが高まっているためだ。
他社との差別化を図るため、マンション・住宅業者は、設計や素材選びにも知恵を絞っている。

 旭化成工業は、犬、猫と飼い主が共に暮らし易いように設計した住宅「へーベルハウス プラスわん・プラスにゃん」を7日に発売した。「人の近くに添いたがる犬と、自由に動き回る猫の習性を取り込んだ」のが特徴という。

 例えば、犬向けの「プラスわん」には、家族と犬が互いの存在を確認でき、吠え声も外にあまり漏れないよう中庭を設けたプランや、お湯が出る屋外の足洗い場、汚れやにおいがつきにくい内装材などを取り入れたプランなどがある。

 猫向けの「プラスにゃん」では、室内を吹き抜けにして梁などを伝わって猫が自由に動ける空間を作り、部屋を移動する際の猫専用出入り口も設けた。

 分譲マンションでも、ぺットと暮らせるタイプが目立ってきた。大京や三菱地所は都内で相次いで、ペットが飼えるマンションを完成させた。散歩から帰った犬や猫の専用足洗い場を設けたほか、ひっかき傷がつきにくい内装を工夫したりしている。

 大京は、昨年六月以降に発売した通常マンションについても、入居者と交わす管理規約で飼育可能なペットの種類、大きさなど細かいルールを定めるようにし、ペットを巡る住民同士のトラブルの未然防止を図っている。

 都市基盤整備公団も、新たに建設するマンションなどの賃貸住宅では、犬、猫の飼育を”解禁”する方向で検討を進めている。

 不動産経済研究所は、「子供の情操教育や心の癒しのため、共生型マンションのニーズは今後も増えるだろう」と話している。

[ 2000/10/13 読売新聞 ]
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 犬も猫もEU市民

 電子チップか入れ墨条件に・・・ 移動に検疫いらず

 欧州連合(EU)がペットの自由移動に動き出した。

 欧州委員会が提案した新規制に加盟国と欧州議会が同意すれば、国ごとに違う持込ルールが一本化され、面倒な検疫手続きなしで犬や猫が行き来できる。
「EU公認ペット」を証明する電子チップの埋め込みか、入れ墨が条件だ。

 狂犬病の予防接種証明と、狂犬病が長く報告されていない英国、スウェーデン、アイルランドに行く場合は、抗体検査の証明も必要になる。

 欧州委員会によると、ペットのために旅行をあきらめる人も多く、「飼主の自由移動にもつながる」という。

[ 2000/10/06 朝日新聞 ]
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 ペット虐待  男性に罰金3万円 異例の最高額 大阪簡裁 

 拾ってきた犬を虐待して殺したとして、野良犬や野良猫の里親を探すボランティア団体から「動物の保護及び管理に関する法律」(動管法)違反で刑事告訴された大阪府箕面市の30代の男性に、大阪簡裁が最高額の3万円の罰金刑を命じていたことが19日、分かった。 男性は控訴せず、判決は確定した。自分で飼育したペットを虐待し、最高額の罰金を受けるのは異例。動管法は昨年12月に改正され、虐待の罰則を強化した「動物の愛護及び適正飼育に関する法律」(動物愛護法)が施行されたが、判決は新法の精神を先取りしたものだった。20日から動物愛護週間が始まった。

 判決などによると、この男性は1998年2月、「けがをした犬を拾った」と、やけどした犬を保健所に届けたが、犬は熱湯をかけられたような形跡があった。当時、男性宅の近隣住民から警察などに、「ひどい犬の悲鳴がよく聞こえる」などの苦情が寄せられていた。 大阪簡裁は今年4月、男性が犬を虐待したことを認めたため、有罪判決を言い渡した。

 告発したボランティア団体は「動物ハート倶楽部」(兵庫県宝塚市、宮崎真理代代表)。宮崎代表によると、96年12月、この男性から「柴(しば)犬風の成犬が欲しい」と依頼され、3歳のメス犬を譲った。約2カ月後、この男性から「もう1匹欲しい」と連絡があった。 不審に思った宮崎代表は、譲った犬に会わせるよう求めたが拒否され、2匹目の譲渡は断った。

 その後、同団体の調査で、男性が拾った犬の虐待を繰り返していた事実が判明。98年9月、大阪府警箕面署に告発し、男性は大阪地検に略式起訴された。

 同団体は昨年7月、譲った犬を虐待したとして、損害賠償を求める民事訴訟も大阪地裁に提訴。「動物愛護」の観点から賠償責任を争った珍しい訴訟だったが、男性は動物虐待を認め、2度としないと約束。今年3月に解決金30万円で和解した。

[ 2000/09/19 毎日新聞 ]
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 ペット調査  4割の人が老後のパートナーとして重要性意識

 総理府は16日付で、「動物愛護に関する世論調査」の結果を発表した。少子高齢化が進む中で、人とペットの関係についての回答(複数回答)では「家族の一員と同様に、ともに生活する世帯が増える」が43・3%、 「老後のパートナーとして重要性が増す」が39・8%に上り、家庭でのペットの役割の高まっていることをうかがわせている。

 ペットを飼っている理由については、「気持ちがやわらぐ」が46・2%と前回調査(1990年)に比べ18・3ポイント増加した。またペットを飼うメリットとして、「生活に潤いや安らぎが生まれる」を挙げる人も51・2%と高率だった。

 一方、国の動物愛護政策に対する注文では、「飼い主の迷惑行為に対する規制や指導を強める」が48・4%と、マナーについて厳しい対応を求める意見が目立った。マンションなど集合住宅でのペット飼育を容認する人は59・8%に達し、前回より16・5ポイント増加した。

 調査は今年6月、全国の成人男女計3000人を対象に実施し、2190人から回答を得た(回収率73%)。

[ 2000/09/16 毎日新聞 ]
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 鳥の保護は営巣木だけ(黒磯市) 1本だけでは守れない(保護団体)

 栃木県黒磯市が9月議会に提案している、希少な野生動植物の保護条例案に、自然保護団体などから批判が高まっている。市議会で成立すれば全国的にも珍しい条例となるが、「鳥の保護地区は営巣木」という規定が、自然保護団体から「木1本では、オオタカなど鳥類は守れない」と反発を招いているためだ。

 条例案は市内の動植物のうち、個体数が著しく少ないか、急減している種を保護するため保護種に指定。捕獲や採取を禁止し、生息区域は地権者の同意を得て保護地区に定める。

 ところが、鳥類については「木に営巣する種の保護地区は、営巣木に指定する」とした。市では「鳥類の広い行動範囲を指定するには、地権者の同意を得るのが難しい」と説明するが、日本野鳥の会栃木県支部は「鳥類の保護は面的にしなければ意味がない」と、営巣木の周辺も保護地区とするよう条文の修正を求めている。

 那須地域には、環境庁の絶滅のおそれのある種に指定されたオオタカが、15つがいほど生息。市は当初、オオタカを保護種にする予定だったが、「オオタカは種の保存法で保護されているので、条例の対象としない」と方針を転換。それでも将来の鳥類の指定に備え、「営巣木を指定」の条文は残した。

 世界自然保護基金日本委員会、日本自然保護協会も修正を求めるなど、波紋が広がるが、同市は修正に応じない方針で市議会で可決される見通しだ。

[ 2000/09/14 朝日新聞 ]
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 ツルの親代わり

 北海道阿寒町の「阿寒国際ツルセンター」では、国の天然記念物タンチョウの「コスチューム飼育」に取り組んでいる。

 タンチョウにふんした親役の職員が、人工ふ化した2羽のひなを自然に近いかたちで育てている。タンチョウに似せた衣装をまとい、手の先に精巧なくちばしを持つ頭部の模型をつける。 米国で行われている飼育法をもとにした。人間を親と思い込まないよう、ふ化の瞬間から始めた。

 ひなは5月下旬と6月下旬に誕生。「しゃべるな。さわるな。顔を見せるな」が原則。最初は「親」の口移しで食べていたえさも今では自分で探すようになった。カラスなどが飛んでくると警戒して首をぴんと伸ばすことも教えた。

[ 2000/07/30 朝日新聞 ]
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 日本獣医師会 インフォームド・コンセント徹底宣言を発表

 ペットの治療もきちんと説明します――。

 日本獣医師会(東京都港区、五十嵐幸男会長)は14日、飼い主にペットの病状や治療方針を十分に説明し、理解を得たうえで治療することを徹底する「インフォームド・コンセント徹底宣言」を発表した。 ペット過剰診療などのトラブルが相次いでいることから、動物医療への信頼を高めるのが狙い。料金トラブルを防ぐため、不妊手術などの平均的な料金も公表し、「宣言」に沿って全国の獣医を指導する。

 同会は全国の獣医師の9割以上(約2万7000人)が加盟している。ペットブームで動物医療へのニーズが高まる一方、「過剰な診療を受けた」「高額な診療費を請求された」などの苦情も増えているため、対策を検討していた。

 「宣言」は、ペットの病状や治療方針を飼い主に十分説明し、了解を得て治療することが必要だとして、インフォームド・コンセントの徹底を宣言するポスターを動物病院に張り出すよう求めた。

 同会では各施設が独自に決めている初診料や注射料などの診療料金も、院内に掲示するよう指導する方針で、「過度に高い料金設定をしている病院には注意してほしい」と呼びかけている。 

[ 1999/09/14 毎日新聞 ]
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