核家族の進行、飼育動物の伴侶化などの現状を踏まえ、飼い主、事業者、地域の住民、行政など動物に関わるすべての人々により 「人と動物の調和のとれた共生」の実現に向けて、横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市、藤沢市の五市と県とが中心になって取り組む計画として策定したものです。

1. 普及啓発
   　幼児期からの動物とのふれあいなどの機会を通して、動物愛護に関する精神を涵養（かんよう）するとともに、飼い主の果たすべき役割を周知し、 そのモラルを向上することで適正飼養を確保し、人と動物との調和のとれた共生社会をめざします。
   
   
2. 動物の引取り数減少への取組み
   　引取りや収容される動物の数を減らすことで、致死処分される動物の減少をめざします。
   
   
3. 動物の返還・譲渡の推進
   　引取りや収容された動物が、一頭でも多く生存できるような機会を可能な限り求め、動物の返還・譲渡の推進をめざします。　
   
   
4. 所有明示措置の推進
   　動物の盗難、遺棄及び迷子の発生防止を図り、飼い主の元への返還率を高めるとともに、所有者責任の所在を明確にすることにより、飼い主の自覚を促していきます。
   
   
5. 動物による危害や迷惑の防止
   　飼い主等に対し、動物の適正飼養管理についての周知徹底を図ることにより、動物に関する危害や苦情件数の減少をめざします。
   
   
6. 遺棄・虐待防止の取組み
   　動物愛護と適正飼養の普及啓発を図り、遺棄や虐待に関する問題の減少をめざします。
   
   
7. 動物取扱業の適正化
   　監視・指導や研修の実施などを通じて、動物取扱業の資質向上を図り、動物取扱業者に係るトラブルや苦情件数の減少をめざします。
   
   
8. 実験動物及び産業動物の適正な取扱いの推進
   　「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」「産業動物の飼養及び保管に関する基準」に基づく適正な飼養管理をめざします。
   
   
9. 人と動物の共通感染症への取組み
   　動物の飼い主や動物取扱い業者などの動物に関わる人が、人と動物の共通感染症についての正しい知識を持つことにより、その発生及び発生時の拡大防止を図ります。
   
   
10. 災害時対策
    　緊急災害時における動物救護体制の充実をめざします。
    
    
11. 人材育成
    　関係機関や団体等の人材育成、関係者間の連携を深めることにより、動物愛護管理対策に体制の構築をめざします。また動物愛護推進員と協働して課題の解決を図ります。
    
    
12. 調査研究の推進
    　調査研究の連携体制の整備を図り、調査研究を推進するとともに、得られた知見等を動物愛護管理の施策に反映していきます。

• 大きな柱１
  動物の愛護及び管理に関する活動の盛り上げ　
  　動物の愛護及び管理に関する活動は古い歴史がありますが、参加者層が限られていた傾向があります。
  　より多くの県民の共感を呼び、幅広い層に対して自主的な参加を促すことができる施策を、学校、地域、家庭等において展開していきます。　
  
  
• 大きな柱２
  長期的視点からの総合的・体系的アプローチ　
  　対象となる動物は、ほ乳類からは虫類まで幅広く、その施策の分野も普及啓発、適正飼養の推進、感染症予防等、広範囲にわたります。また、人の多様なライフスタイルや価値観等に深く関わっています。
  　動物の愛護及び管理に関する施策を着実に進めていくため、長期的視野から総合的かつ体系的に各施策に取り組んでいきます。
  
  
• 大きな柱３
  関係者間の協働関係の構築及び基盤整理
  　動物の愛護及び管理に関する施策の展開を図っていくためには、行政機関、獣医師、動物取扱業者、動物愛護団体等の適切な役割分担のもとに、関係者のネットワーク作りとこれをささえる基盤の整備も重要です。
  　行政機関内での連携を図るとともに、関係団体等との協働関係の構築や動物愛護推進員の委嘱の推進等も進めていきます。 　　

• 　計画の期間は、平成２０年度から平成２９年度までの１０年間とし、市町村、関係団体等と連携して、計画の達成に向けて取り組んでいきます。
  　計画の達成状況については、年度毎に分析、評価を行います。
  　また、計画は定期的な評価、社会情勢の変化等を踏まえ、５年後を目途に見直しを行います。