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◆ 動物に関る言葉のミニ辞典 ◆ の過去のお話(家畜:牛1)


話を入れ替えた折、削除した過去の分のお話です。






 暗闇から牛を引き出す
びっくりウシ 暗い所に黒い牛がいると何が何やらはっきりしないところから、物の区別がつかないこと。また、人目につかないことや動作が鈍重ではきはきしないことのたとえです。

 牛と芥子(からし)は願いから鼻を通す
涙牛 ウシが鼻輪を通されて自由を失うのは、ウシの天性が招いたものであり、人が芥子で鼻を刺激されて苦しいのも、その人が自分で望んで口にしたためだということ。
自ら望んで苦しみや災いを受けることをいいます。

 牛の一散 ( いっさん )
牛の一散 歩みの遅い牛でも、一散(一目散)に走り出すことがあるように、普段ぐずぐずしている人が、先のことも深く考えずに、急に決断してむやみにはやり進むこと。

 牛黄(ゴオウ)
上薬のウシ

漢方薬の調剤原料として用いられている、ウシの胆のう中の結石。
中国最古の薬物書に上薬(命を養う安全な薬)として記載されており、昔から強心作用があるとされ珍重されてきました。


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 牧(ボク、まき)
牧

「うしかい、うまかい」「まきば、牛や馬を放牧するところ」「役人、つかさ、おさめる」「郊外」「養う」の意の漢字。

牛と攵(攴)の合字。
攴はムチで打つの意味で、牛を飼う人を表します。

 九牛の一毛
九牛の一毛ウシ

九頭の牛の中の毛一本ということから、多くのものの中の極々小部分をさしていう言葉で、比較できないほどささいであることや、とるに足らぬつまらないことのたとえです。

 牛は尾を見ろ 女は母親を見ろ
尾を良く見てねウシ

タイのことわざで、結婚する相手をよく選べということです。
性質のいい牛はしっぽの先の毛が菩提樹の形をしています。母親がいい人でおとなしかったら娘もそうであるように、女の人はその人がどんな人かは母親を見れば分かるということです。


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 舐犢(しとく)の愛
舐犢の親牛 「舐犢」は親牛が犢(子牛)を舐(な)めることで、
親が子を溺愛することの例えです。

 雌牛に腹突かれる
ウシ

メス牛はオス牛よりもおとなしいものですが、そのメス牛に角で腹を突かれたということで、普段甘く見ていた相手に突然ひどい目にあわされることのたとえです。

 吽(ウン)
吽

「ほえる」「どなる」の意の漢字。「阿吽(あうん)」
口と牛の合字。ウシが口から声を出すの意味を表します。
阿吽(あうん)」とは・・・呪文を唱えるとき「阿」は口を開いて出す音声で、「吽」は口を閉じて出す音声。密教では「阿」は万有発生の原理、「吽」は万有が帰着する知徳と考えます。


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 牛歩戦術(ぎゅうほせんじゅつ)
日本においては多数派与党の強行採決に抵抗する、少数派野党の抵抗手段のひとつ。国会では会期内に法案を議決しないと廃案になるため、審議を引き延ばして採決を遅らせ時間切れに持ち込むことを目的にします。
意外に早いウシの歩み 意外に早いウシの歩み 意外に早いウシの歩み 意外に早いウシの歩み  記名投票まで、立ち止まったり足踏みしたりしながらゆっくり
 ウシのように歩き、議員の列の流れを妨害して時間稼ぎをします。
 止まっている時間が長いと、投票の意思がないとみなされて
 棄権とされるので、少しずつ前進していきます。


 盛り塩
料理屋・寄席などで、掃き清めた門口に縁起を担ぐ塩を小さく盛ること。
清め塩、盛り花、口塩(くちじお)、塩花ともいい、下のような故事から、客を招く、福を招くというように考えられています。
中国秦の始皇帝は三千人もの美女をかこって、夜毎牛車で渡り歩くといわれていました。同じ美女のところに2度目に訪れるのはいつになるかわかりません。
そこである美女が始皇帝の寵愛を一人占めしようと一計を案じたのです。
今夜もやってきたウシ 牛車が通る時刻を見計らい、自宅の門前に塩を盛っておいたのです。
すると、
は塩が大好きなので、なめはじめたらテコでも動きません。
始皇帝はやむを得ず、その住まいを訪れ今夜はここで・・・となり、
これが毎夜続き始皇帝の寵愛を一身に集めることができました。

 面張牛皮(めんちょうぎゅうひ)
面の皮の厚いウシ 牛の皮を張ったように、つらの皮が厚く尊大であつかましいこと。性格が厚かましいことをいいます。


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 火牛の計(かぎゅうのけい)
ウシが来た? 中国戦国時代斉の田単(でんたん)が用いたとされた戦法で、ウシの角に刀剣をくくりつけ、尾に油に浸した葦を結んで火をつけ、群れを成して敵陣に突入させるというものです。
日本では木曽義仲がこの火牛の計を用いて平氏の大軍を破った話が有名です。

 呉牛(ごぎゅう)月にあえぐ
水牛さん
「呉牛」は中国南方の呉に多く生息していた水牛のこと。
南方は暑いので、太陽の照りつけるのを水牛は嫌いましたが、
嫌いなあまり、まるい月が出ても太陽が昇ったかと思い、
あえぎだすということ。
そこから、思い過ごしてとりこし苦労することをいいます。


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 牽(ケン)
牽

「引く」「引いて進ませる」「率いる」「引き連れる」「ひきつけられる」「繋がれる」「引き綱」の意の漢字。
牛と冖と玄の合字。
冖はつなの象形。音符の玄は弦に通じ、張り詰めたつなの意味。牛を引くつな・ひくの意味を表します。

 牟(ボウ、ム)
牟

「牛の鳴き声」「むさぼる、奪う」「増す」「多い、大きい」の意の漢字。

牛とムの合字。
ムは牛の鳴き声、吐く息を表し、牛の鳴き声の擬声語です。

 汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)
お疲れ牛さん

運ぼうとすればウシに汗をかかせるほどあり、家の中に積めば、棟木に達するほど蔵書が多いということです。
しかし、もともとの意味は無用な書物の多いのを嘆いた言葉らしいです。


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 牛の歩みも千里
ウシ ウシ

歩みの遅い牛でも、たゆまず行けば
千里の道もいけるということ。

 牛負けた
ばんざい負け牛さん

⇒ 馬勝った ⇒ ウマカッタ ⇒ おいしかった というシャレ。
時と場合を考えても、今時使うと場を白けさせること請け合いの駄洒落・オヤジギャグ・・。

 互角(ごかく)
首振りウシ

本来は「牛角」で、仏典の「牛頭両角(ごずりょうかく)」から来ているそうです。
牛の角は左右に二本あり、普通両方の大きさ、形が同じなので、そこから互いに優劣をつけがたいの意味になったといいます。


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 特(トク、ドク)
特

「きわだっていること」「すぐれていること」「おす」「動物のおす」「ただ一つ、独特」の意の漢字。

牛と寺の合字。
おすの牛。獨(独)に通じて一人の意味を表します。

 動物小話 「あの牛は誰?」

 母 : 「食事が終わってすぐに横になると牛になっちゃうわよ。」
 子 : 「じゃあ、あの牛、元は誰だったの?」 私は誰だったの?

 商いは牛のよだれ

牛のよだれは細く長く切れ目がないことから、
気長に辛抱強く、こつこつと続けるのが商売のこつだということです。


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 牛飲水成乳・蛇飲水成毒

同じ水でも牛が飲めばこれを乳とし、毒蛇が飲めばこれを毒に変える、ということで、真理は一つであっても、その解釈、作用は大きく変わってくる、ということ言っています。

 物(ブツ、モチ、モツ、もの)
物

世の中にあるすべてのもの。こと、ことがら。
牛と勿の合字。天地間に存在するいっさいのもの、目に見える全てのものを表します。
勿(ブツ)は悪いものを払い清めるの意味。清められた、いけにえの牛の意味から「もの」の意味を表しています。

 牛耳を執る(ぎゅうじをとる)

中国春秋戦国時代に諸侯が同盟を結んださい、中心的人物の盟主がいけにえとした牛の耳を執って裂き、みんなでその血をすすりあって結束を誓い合ったという故事から、集団の中心となって主導権を握ることをいいます。
「牛耳る(ぎゅうじる)」という言葉もここから出ました


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 むしろ鶏口(けいこう)となるも牛後(ぎゅうご)となるなかれ

ニワトリは小さいが、口は身体の一番前についていて、もっとも目につきやすい。牛の尻は大きな身体についているので安全だが、後ろにあるので目立たない。口は物を食べる大事な所だが、尻は糞を出す卑しい所という言い方も出来ます。
大きな組織の目立たない存在でいるよりも、小さくても先頭に立って活躍できる地位についたほうが良いということです。
使われるよりも使う立場になれという意味にも使われます。

 角を矯(た)めて牛を殺す

牛の角をまっすぐにしようとして、牛を殺してしまうこと。
そこから、欠点やキズを直そうとして程度を超えてしまい、全部をこわしてしまうこと。
また、末端にこだわり過ぎて中心を害すること、を言うようになりました。

 牛に引かれて善光寺参り

長野の善光寺の近所に不信心の老婆がいたが、となりの牛が日に干していた布を角にひっかけて走り出したので、それを追いかけていくうちに善光寺に来てしまったという故事からきたもの。
このような思いがけない原因のために、思ってもいなかった道に入って熱心になることをいいます。
また、長いことごぶさたをしてしまった家などに、小さい子どもに連れられていくときの照れ隠しにもつかわれます。


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動物に関る言葉のミニ辞典作成に際し、以下を参考にさせていただきました。
三省堂:広辞林、TBSブリタニカ:ブリタニカ国際大百科事典、角川書店:新国語辞典、小学館:新選漢和辞典、大修館:漢語新辞典、 三省堂:デイリーコンサイス英和辞典、川出書房:日本/中国/西洋/故事物語、動物出版:ペット用語辞典、 実業の日本社:大人のウンチク読本、新星出版社:故事ことわざ辞典、学習研究社:故事ことわざ辞典、Canon:国語/和英/英和/漢和/電子辞典、


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