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◆ 動物に関る言葉のミニ辞典 ◆ の過去のお話(鳥類3:他・種別無)


話を入れ替えた折、削除した過去の分のお話です。






 猟は鳥が教える
猟を教えるトリ 狩猟が上達するこつは、トリを追っているうちに自然に身につくものであるということで、いわば獲物のトリが教えてくれるようなものだということです。
物事はなんでも、実際に行っているうちに覚えて、身に付いていくものなのです。


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 百舌の早贄(モズのはやにえ)
モズのはやにえ モズは、とらえた獲物をその場で食べないで、小枝や刺に突き刺したり、ひっかけたままにしておく習性があり、それら小枝などに放置されたものが 「モズのはやにえ」とよばれます。はやにえにされるものとしては、昆虫、トカゲ、カエル、魚、小哺乳類、小鳥などがあります。
モズは足があまり発達しておらず、獲物を足で押さえてくちばしでついばむことをせず、 木の枝などに獲物を刺してくちばしでそれをついばむという食べ方をします。 そのためエサを捕らえるととりあえず枝に突き刺しますが、 食欲があまりないと食べかけでエサを放棄してしまうのではやにえが残るわけです。 場合によっては再びお腹がすいたときにそれを食べることもあるそうですが、 干からびてしまうともう手をつけないそうです。

 同じ羽の鳥は集まるものだ
同じ羽の鳥  英語のことわざ Birds of a feather flock together.
カラスがツバメと一緒に群れたりしないように、人間も互いに似た性質、関心、趣味を持った者同士が集まりがちです。 同じような趣味や考え方の人間は、自然と集まって仲間になるということです。


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 鳥疲れて枝を選ばず
クマタカ 疲れたトリは枝を選ばずに、どこにでもとまるということから。生活のためには職業を好き嫌いなどで、選んではいられないということです。

 羽振りがいい
羽振りがいいトリ トリが羽を振る様子がとても素晴らしいことから、世間で認められる人の地位や勢力が恵まれていること、また威勢がいいことをいいます。

 飛ぶ鳥の献立
飛ぶ鳥
空を飛ぶ鳥を見て、捕らえもしないうちから
料理の献立を考えるということ。
手に入れる前にその使い道を早々と計画することのたとえです。


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 足下の鳥は逃げる
逃げるオウム 足下の鳥だから自分のものだと思っていたのに、その鳥が逃げてしまうということから、手近なことに手抜かりがあることのたとえです。

 けんもほろろ
けんもほろろ 人の頼みごとにまったく取り合わずはねつける様子や、ひどく冷淡でそっけない様子をいいます。
「けん」も「ほろろ」もキジの鳴き声で、これがとても無愛想に聞こえるところからそうなったようです。


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 唯(イ・ユイ)
唯

「しかり」「ただ」「これ」の意の漢字。口と隹の合字。
隹は鳥の略形。口は神様への祈りの言葉を入れる器。その前に鳥を置いて、鳥の動きによって神様の意思を聞くというさまを表し、 神様の判断に「ハイ」とかしこまって急いで返事を表す言葉で。そこからしかりの意味を表します。
参)唯の反対は・・・諾:考えてゆっくり答える返事

 弦なき弓に羽抜け鳥
よちよちヒヨコ 弦のない弓は矢を射ることは出来ませんし、羽のないトリは飛べないというこです。
そこから、どうしようもないことのたとえだったり、まったく役に立たないことをいいます。

 霞に千鳥
千鳥 空高く掛かる霞と低く飛ぶチドリ、或いは、霞は春、チドリは冬のものという対比から、どちらにしても大きく隔たって相応しくない、または、有り得ないことであるということです。


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 進(シン)
進

「すすむ・すすめる」「すいすいと前に出る・出す」「人前に出る」の意の漢字。
しんにゅう(しんにゅう)と鳥の略形である隹の合字。
しんにゅうは道を行くこと。軍隊を進軍させるときに鳥占いをして、神様の意思を聞いてから前進させたことからすすむの意になりました。

 小鳥を捕らえて大鳥を逃がす
小事・小さな獲物 小さな獲物をつかまえることにかかわっているうちに、大きな獲物に逃げられるという意味から、小事ばかりかかわって大事を仕損じるということです。

 烏鵲の智(うじゃくのち)
鳥鵲:かささぎ 遠い将来のことばかり心配し、近くに迫っている災難に気がつかないことをいいます。
鳥鵲(うじゃく)はカササギの別称。
カササギは強風の多い年には風をさけようとして巣を低い枝にかけますが、そのために雛や卵を人に捕られることまでは知恵がまわりません。


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 奪(ダツ)
奪

「とる」「うばう」「うしなう」の意の漢字。
大と隹と寸の合字。大は古代文字では衣の上半分の形で衣の省略形。隹は鳥の略形。寸は手の形。
人が亡くなって、その人の衣から死者の霊が鳥の形となって飛び立っていくのを、手で必死にとどめているさまを表します。 人の霊が鳥の形になり脱出するのでうばうの意味になります。

 集(シュウ)
集

「あつまる」「つどう」「なる」「とどめる・とどまる」の意の漢字。
隹と木の合字。隹は鳥の省略形で、古い字は木の上に隹を三つ書く形で、多くの鳥が集まることを意味します。
鳥の集散で物事の成否を占う鳥占いがあったといいます。

 一目の網は以て鳥を得べからず
網にかからない鳥
網の目が一つだけではトリを捕らえる事が出来ないと言う意味から。
物事を達成するには正しい手段・方法をとらえなければならない、
ということです。


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 高飛の鳥も美食に死す(こうひのとりもびしょくにしす)
高飛の鳥 安全な高い空を飛ぶトリも、うまそうな餌につられて地上に舞い降りると人に捕らえられ殺されてしまうということ。
立派な人物も、欲のために身を誤って命を落とすことがあるというたとえです。

 怠け者の足から鳥が起つ
鳥が起つ ふだん怠けてばかりいる者は、なにか事が起こりいざというときに、あわてふためいて騒ぎたてるものである、ということです。

 良禽(りょうきん)は木を選んで住む
良禽 賢いトリは止まる木を選び巣を作るように、優れた人物は仕えるべき主君をよく選んで仕えるということです。


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 比翼の鳥
夫婦の契りが深い比翼の鳥 雌雄それぞれが目を一つ翼を一つ持っており、飛ぶときは常に雌雄一体となって飛ぶという、中国の空想上のトリのこと。
男女の仲の深いことや、夫婦の契りが深いことのたとえに用いられます。

 ハト時計? カッコウ時計?
本当はカッコウなハト時計 日本のハト時計は元々はカッコウ時計だったのです。
カッコウ時計は18世紀にドイツの人が、ドイツ南部の「黒い森」に棲むカッコウをモデルに作ったもので、ヨーロッパではカッコウはその美しい鳴き声から幸運をもたらす鳥とされており、春を告げるイメージを「時を告げる」イメージとして採用したといわれています。
カッコウ時計が日本ではハト時計になったのは、「輸入する際にハトと見間違えてカタログに掲載したから」「意図的に日本人に馴染みのあるハトにしたから」「カッコウ鳥は<閑古鳥>に通じ縁起が悪いから」などが理由とされています。


 啄木鳥(キツツキ)の子は卵から頷く(うなずく)
生まれながらの才能を持つキツツキ キツツキの子は幼い時から首を上下に動かす癖があり、木をつつく習性を見せているということで、生まれながらにして将来を思わせる才能や優れた資質を備えていることのたとえです。

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 鴫(シギ)の羽返(はがえ)し
シギ シギが羽虫を取るために何度もくちばしで羽をしごくことから数が多いことをいいます。また、舞・剣術・相撲の手の一つにもこの名があります。

 鷺を烏に言いくるめる
白いサギ 真っ白なサギを真っ黒なカラスと言い張るように、
不合理なことを強引に主張することのたとえ。


 孔雀は羽ゆえ人に獲らる
孔雀 クジャクは羽がきれいでそれを目当てに獲られることから、長所があるばっかりにかえって不幸になる、ということのたとえです。

 越鳥南枝(なんし)に巣くう
越の国から渡って来たトリ 中国南方の越の国から渡って来たトリは、故郷を慕って樹木の南の方の枝に巣をかけるといいます。
故郷を忘れがたく、懐かしく思い慕うことで、望郷の念にかられることを表します。


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 ji_sotu啄同時(そったくどうじ)
殻を破って出ようとする雛鳥 禅の言葉です。卵の中の雛鳥が殻を破ってまさに生まれ出ようとする時、卵の殻を内側から雛がコツコツとつつくことを「ji_sotu」といい、 ちょうどその時、親鳥が外から殻をコツコツとつつくのを「啄」といいます。
雛鳥が内側からつつく「ji_sotu」と親鳥が外側からつつく「啄」とによって殻が破れて中から雛鳥が出てくるのです。
このように両方が一致して雛が生まれる「機を得て両者相応じる得難い好機」のことをいうのです。親鳥の啄が一瞬でもあやまると、中のヒナ鳥の命があぶない、早くてもいけない、遅くてもいけない、まことに大事なそれだけに危険な一瞬でありji_sotu啄は同時でなくてはなりません。
禅では弟子を雛鳥・師匠を母鳥にたとえ、師匠と弟子が意気相合して、間に髪を容れる瞬間もなく互いに意気が合って一体不離になっていることを示す言葉であります。
すなわち弟子の修行が円熟していることに気づいて、師僧が悟りの機会をあたえてあげるということで、師僧の励ましに応じる境地に弟子が至っていなければだめなのです。


 鳥の両翼車の両輪
両翼が立派なカモ トリの翼と車の輪は二つがそろって初めて役に立つことから、どちらが欠けても役に立たず、両方そろっていなければならないものです。
そのように緊密に共同して働かなければならない関係にあるもののことをいいます。

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 雉(キジ)も鳴かずば撃たれまい
キジ

無用な発言をしなければ、禍(わざわい)を招かずに済むということ。
また、余計なことをしたばかりに、己に災害が降り懸かるということで、口は禍の門に同じ意味です。

 花は根に 鳥は古巣に かへるなり 春のとまりを しる人ぞなき
雁に月 咲き終わった花はその木の根元に散り落ちて、飛んでいる鳥はやがて古巣に帰る。物事はすべて戻っていくところがあるけれど、春はどんな港に行ってしまうのだろうか。

歌人としても著名な第75代天皇崇徳天皇、後の崇徳院のうた。
父鳥羽天皇に強制的に譲位させられた後、保元の乱を起こすが、平清盛らに鎮圧され失敗し讃岐に配流され、朝廷を恨み夜叉のような姿で死んだと伝えられています。菅原道真、平将門と並ぶ日本三大怨霊とされてます。


 千鳥足(ちどりあし)
チドリアシ

左右の足踏みがジグザグになるような歩き方で、特に酔っ払った人のよろめいた歩き方をいいます。

通常鳥の足には後ろに支える指があるが、チドリは前三本で後ろに指がなく、よろめいた歩き方をするのでたとえられました。
他の説としては、中世には馬の足並みが乱れることを「千鳥足」と言いましたが、チドリの足どりが似ているだけでなく、チドリの羽音が似ていることから呼ばれるようになった。というのもあります。


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 客と白鷺は立ったが見事
見事なサギ 客が席を立つことと立ち姿が美しいシラサギをかけた言葉で、客はあまり長居せずに、早めに席を立つほうが店の者にも喜ばれるということです。

 一石二鳥
トリ1 トリ2 トリが2羽いたところへ、1羽を狙って石を投げたら2羽とも落ちたという、17世紀のイギリスのことわざ"kill two birds with one stone." の訳語。
一つの行為で二つの利益を得るこという意味です。

 籠の鳥雲を慕う
籠の鳥 かごの中で飼われ自由を失っているトリが、
自由に飛びまわれる大空を恋い慕うこと。
そこから、行動の自由を奪われている人が
心の底から自由を願い求めることをいいます。
また、遠い故郷を恋しく思うことも表します。



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 百舌勘定(モズかんじょう)
モズ 人にお金を出させて、自分は少しもお金を出さないことをいいます。
昔話に、ハトとシギとモズが集まって十五文の食物を買った際にハトは八文出し、シギは七文出したが、モズは一文も出さずにトンズラを決め込んでしまったという話からいう言葉です。
<その後>逃げるモズは途中でウグイスが経営するお店でワラジを買いますが、ここでも“二枚舌”どころか“百枚舌”を使って、またまた金を払わず逃げるのです。 こうして口からでまかせを言ってあちこちの鳥たちをだましたモズは、すべての鳥たちから追われる立場になるのでした。

 The early bird catches the worm.
The early bird 「早起きするトリは虫をつかまえられる」ということで、早起きは三文の得と同じ意味です。
early bird は「早起きするトリ」という意味のほかに「早起きする人」という意味でも使われます。

 傷弓(しょうきゅう)の鳥
ひどく警戒心の強いコマドリ 一度弓矢で傷をうけたトリは、弓の弦音を聞くだけで恐れおののくように、過去の経験にこりて恐怖心にとらわれ、ひどく警戒心の強い人のことをいいます。


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 窮鳥(きゅうちょう)懐(ふところ)に入れば猟師も殺さず
窮鳥 追われて逃げ場を失った鳥が懐に飛び込んでくると、猟師でさえその鳥を殺さない、という意味。
困り果てて助けを求めてくる人があれば、どんな事情があろうともこれを助けるのが人としての道である、という教え。

 嘯く(うそぶく)
嘯くアオバト

とぼけて知らないふりをすることやほらを吹くことをいいます。
嘯くの「うそ」は、鳩などを呼ぶ時の口笛のことで、本来は「口笛を吹く」という意味でした。
これが、現在の意味に転じたのは、この口笛は、本物の鳴き声ではなく、鳥の「鷽(うそ)」の鳴き真似をすることからという説と、口笛を吹いてごまかそうとする、嘘をついた時の仕草からとする説があります。

 鳥糞石
うんちドリ 鳥糞石(グアノ)は、離島の珊瑚礁に海鳥の死骸・糞・エサの魚・卵の殻などが、数千年〜数万年堆積して化石化したものです。
主要な産地は南米やオセアニア諸国(ナウル等)です。
グアノには窒素鉱物を含有する「窒素質グアノ」と窒素分が流出してリン酸分が濃縮された「燐酸質グアノ」の2種類があり、いずれも近代化学工業(化学肥料)には欠かせぬものでありました。
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 鳥瞰図(ちょうかんず)
飛ぶ緑鳥 瞰は見おろすという意味で、鳥が空中から地上を斜めに見おろしたように描いた地図の一種です。 古くから神社仏閣・名所旧跡等の案内図として用いられ、わかりやすさを重視し、建物や山などが立体的に誇張表現されていたりします。鳥目絵(とりめえ)、俯瞰図(ふかんず)ともいいます。

 オウム返し
鸚鵡(オウム)

オウムのように相手の言葉をまねして返答すること。
「おうむ返し」という言葉は本来は和歌の用語で、他人の詠んだ歌の一部だけを変えてすぐに返歌とするのをいいます。
オウムのこのような性質は古くから知られていて、既に平安文学の和歌には「おうむ返し」の技法があったそうです。

 嘴(くちばし)が黄色い
くちばしが黄色いヒヨコ ひな鳥の嘴(くちばし)が黄色いことから、年若く未熟なことをあざけっていうことばです。


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 フラミンゴ打法
野球での一本足打法のことで、投手の投球フォームに合わせて投手側の足を高く上げ、ボールを手元まで引き付けます。
このフォームを行うのはホームランバッターが多くいます。
中でも王貞治が最も有名ですが他にも田淵幸一、門田博光、大豊泰昭や現役の立浪和義、高橋由伸等が知られてます。

 鳴かず飛ばず
鳴かず飛ばず鷲 「これと言った仕事や活躍をしないでいるさま。ずっと目立った行いもなく、人から忘れられたようになっているさま」の意味で用いられます。
史記からの故事で、本来の意味は、「将来大いに活躍しようとして、じっとその機会の来るのを待っているさま」です。

中国の春秋時代、楚の荘王は、即位してから「諫める者は死刑に処す」という法令を出し、喪中の3年の間酒色に耽っていました。
伍挙という者が「丘の上に鳥が居り、3年の間鳴きも飛びもしません」と謎を掛けると、「ひとたび飛べば天の果てまで飛び、ひとたび鳴けば天下を驚かすだろう」と答えた。
荘王は3年の間、伍挙のような忠義の家臣があらわれるのを待っていたのです。
喪が明けたとき、今までの態度をがらっと変え、その言葉の通り政治の改革を実行し、たちまち数百人の人物を用い、数百人を排し、楚の国は大発展をとげました。



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 鳰(にお)の浮き巣
カイツブリ よるべのない意味で不安定なことのたとえ。
鳰(にお)はカイツブリの古名で、水辺の葦あしの間などに作られた巣が、水や風の状態で揺れ動き浮いているように見えることからいいます。


 飛ぶ鳥を落とす
朱鷺 飛んでいる鳥も、その勢いに押されて落ちてしまいそうになる、
ということから権力や勢いが強く、非常に盛んなさまをいいます。


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 おしどり夫婦
おしどり おしどりの夫婦がいつでも寄り添っている様子から出来た言葉で、いつも一緒で仲むつまじい夫婦のことです。生涯助け合い大切にするということを、鴛鴦の契り(えんおうのちぎり)ともいいます。

 かささぎの わたせる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける
カササギ 七夕の夜、牽牛と織女を会わせるため
カササギが翼を並べて天の川に渡すという橋
その橋のように見える宮中の階段に
霜が真っ白におりているのを見ると
夜はしんしんと更けていっているのだなあ

冬の夜空を見ていた大伴家持は、天の川に掛け渡す橋を思い起こしていました。そして「その橋は宮中の御階(階段)にそっくりだそうな。」と思い作ったそうです。

 翠(スイ)は羽を以って自ら残(そこな)う
カワセミ 翠(スイ)とはカワセミのことで、美しい色の羽があるがために、情けようしゃもなく人に捕えられてしまいます。
長所がかえって、わざわいをひき起こすことがあるというたとえです。


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 「ハチドリのひとしずく」

南米アンデス地方の先住民に伝わる古いお話です。
現在の地球や人や文化に“ちいさな力”の大切さを教えてくれるとても素敵なお話で、今静かなブームが起きています。
ハチドリ 山火事が起こりました。森の生きものたちはわれ先にと逃げていきましたが、ハチドリだけは行ったり来たり、口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます。
「そんなことをして一体何になるんだ」と言ってあざけり笑う動物達。
でもハチドリは「私は私にできることをしているだけ」とだけ答え、水のしずくを一滴ずつ運ぶことをやめませんでした。
山火事山火事 山火事は人間が抱えるさまざまな困難や問題を象徴しており、ハチドリはその状況を変えようとする一人一人と読み取れます。
また、環境問題へのメッセージとしてとらえる人もいます。
この話を読んだ後、身の回りの自分で出来ることをすればよいのではないか、という考え方になった人も多くいるそうです。


 雁首(ガンクビ)をそろえる
偉い人の前で、並んで首を垂れている様子。
もとはタバコを吸う時に使う「煙管(キセル)」の先端が雁の首に似ているところから「雁首」といっていましたが、その様子が首をうなだれているのに似ていることから人のそのような様子もいうようになりました。
雁雁雁

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 バーディ・イーグル・アルバトロス(ゴルフ)
golf

バーディは小鳥、ゴルフの場合、そのホールの基準打数(パー)より一打少ない打数でホール-アウトすること。イーグルは鷲(ワシ)、パーより二打少ない打数で、また、アルバトロスはアホウドリ、パーより三打少ない打数でホール-アウトすることです。
バーディ 1903年、初めてロングホールのパー(標準打数)を、米国のアマチュア選手が破ったとき、その打ったボールはまるで小鳥が飛んでいるように見えたので、一緒にいた仲間は思わず「ザッツ・ア・バード!」と叫んだといい、この話がひろまり、「パーより1つ少ないスコア」を意味するようになったそうです。
イーグル さらにパーより2つ少ないスコアが出て、これは小鳥より強い、飛ぶという意味でイーグルeagle「鷲」となり、
アルバトロス ついに1921年、英米アマチュア国際対抗試合で、パーより3つ少ない、前代未聞のスコアが出ましたが、その名前は、羽ばたくことなく何時間も洋上を飛翔する海鳥(アルバトロス)となったそうです。

 焼け野の雉子(キギス)、夜の鶴
キジ見返り鶴

雉子(キギス)はキジのこと。キジが自分の巣がある野を焼かれても危険を顧みずに子を救おうとし、
また、霜の降いおりる寒い夜にツルは子を羽でおおって暖めるということから、
子を思う親の愛情が極めて深いことをいいます。


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 淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に 幾夜寝ざめぬ 須磨の関守
チドリ
「淡路島から通ってくる千鳥の、悲しげに鳴く声に、
いく夜目を覚ましたことだろうか。この須磨の関の番人は。」

源兼昌の作。淡路島と海峡をへだてた所にある、
須磨(現在の兵庫県)で寂しくくらしたという、
「源氏物語」の光源氏の気持ちになって詠んだそうです。

 あし引きの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝ん
夫婦が離れて寝る?ヤマドリ

「私は片時もあなたと離れずにいたいと思うのに・・・。(夜はオスとメスが、谷を隔てて離れ離れに寝るという)ヤマドリの長く垂れ下がった尾のようにこの私もまた、長い長い夜をあなたと離れて一人さびしく寝るのだろうか。」
作者は柿本人麻呂。7世紀末〜8世紀初にかけて活躍した宮廷歌人、36歌仙の一人で歌聖と仰がれています。
人麻呂には、密かに思いを寄せる人がありましたが、その人は帝に仕える人でした。愛していることが知れたら重い罪に問われてしまうので、そのことを悲しんでこの歌をつくったそうです。

ヤマドリは俳句や和歌等にもうたわれる、わが国固有のキジ科の特産種で、本州・四国・九州の山間地に生息します。全身赤銅褐色で、特に雄の尾長は目をみはる美しさです。


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 雉撃ち(キジうち)
キジが逃げる しゃがんで用を足す、排せつ行為をさす山登り仲間の隠語です。
そのときの神妙な表情と格好が、茂みから首だけ出してキジを狙う狩人に似ている、というのが語源のようです。
男女の区別で「雉撃ち」「お花摘み」といったり、大小の区別で「大雉」(オヤ雉)「小雉」(子雉)と表現し、オナラを「空雉」というのもあるようです。


 ジンクス(jinx)
アカゲラ

因縁のように思う事柄。縁起。本来は縁起の悪い物事をいいます。
ジンクスは、縁起が悪いものを意味する英語「jinx」が語源ですが、これは、魔術に用いるキツツキ類の名をさすギリシャ語に由来するそうです。

 立つ鳥後を濁さず
トリさんのお引越し? バイバ〜イ!
よその土地や場所にうつるときは、あとが見苦しくないように、今までいたところや、していたことをちゃんとかたずけてから、離れるように、というたとえです。
鳥のようなものでも飛び立った後は汚さない、ということから。
これからはちょうど引越しシーズンですね。
ヒトもトリに負けないよう “立つヒト後を濁さず・・・”。


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 めじろ押し
メジロ

「めじろ」は鳥のメジロ。メジロが木にとまるとき、体をくっつけて押合うように何羽も並ぶ習性をもっています。
そのようすから、子供が一列に並んで押し合い、列外に押し出された者が列の端について押す遊戯を「めじろ押し」というようになり、さらに転じて「多くのものがすき間なく並ぶこと」という意味になりました。

 足元から鳥が立つ

鳥は離れていても人が近づくと敏感にさとって逃げます。
鳥がまったく思いもよらず足下から飛び立つことから、
自分の近くで思いもしなかったことが起こること。
また、急に思い付いたように
慌てて物事をし始める様子のこともいいます。

 名にし負はば いざ言問わむ 都鳥 我が思ふ人は ありやなしやと
ミヤコドリ(ユリカモメ)

「川のほとりで遊んでいる鳥が都鳥と呼ばれるならば、その名前のように都のことを知っているだろう! それならば尋ねてみよう、都鳥よ。私の想うあの方は元気でいるのかどうか、と。」

在原業平が旅の途中、墨田川の岸辺で遥か都のことをしみじみと偲び、詠んだといわれる歌。
都鳥は東京都の鳥であるユリカモメの別名です。



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 鳥取(とっとり)
鳥取県

水鳥が多く集まったこの地に、鳥を捕獲することを仕事とした、朝廷の鳥取部が住んでいました。
その場所が「鳥取造」と呼ばれたことに由来するといわれています。

 コウノトリが赤ちゃんを運んでくる
コウノトリ

コウノトリを国鳥としているドイツ辺りがその話の源となり、伝承がヨーロッパ始め世界中広がり知れ渡ったと考えられています。
コウノトリの飛来地のドイツの中北部では、家の屋根や教会の屋根など町中のいろいろなところでコウノトリの姿をいつも目にしていた人々にとって、コウノトリが赤ちゃんを連れてきてくれるという話は生活の中でごく自然に生まれてきたものなのかもしれません。
ウクライナ北部やベラルーシ東南部、ポーランドのカシューブ地方にもコウノトリが赤ん坊を暖炉の煙突から落とし入れてくれるという伝説があります。


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 あの声で 蜥蜴(トカゲ)食らうか ホトトギス
ホトトギス 江戸時代の俳人宝井其角の句。
美しい声で鳴くホトトギスが、まさかトカゲを食うとは驚いたものだという意味で、人は見かけによらぬもので、外見と中身がひどく違って驚かされることがあるということです。

 青い鳥
青い鳥

身近にありながら気づかない幸福のこと。
幸福を招くという青い鳥をチルチルとミチルの兄妹が捜し求めたが、実は自分たちの家の鳥かごにいたという、メーテルリンクの童話劇「青い鳥」から。 なお、劇中の鳥はハトです。

 雁字がらみ

雁が空を群れて飛ぶ時、斜め十文字に隊を組む習癖があるので、それが鍵のように交錯することもあります。
人を縄で縛るときも、肩から腰へ斜めに縛ることがあり、左右交差させたりします。
そこから、このような身動きできないような束縛、制限のことをいうようになりました。


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動物に関る言葉のミニ辞典作成に際し、以下を参考にさせていただきました。
三省堂:広辞林、TBSブリタニカ:ブリタニカ国際大百科事典、角川書店:新国語辞典、小学館:新選漢和辞典、大修館:漢語新辞典、 三省堂:デイリーコンサイス英和辞典、川出書房:日本/中国/西洋/故事物語、動物出版:ペット用語辞典、 実業の日本社:大人のウンチク読本、新星出版社:故事ことわざ辞典、学習研究社:故事ことわざ辞典、Canon:国語/和英/英和/漢和/電子辞典、


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