愛すべきあなたのワンちゃん・ネコちゃんの生命・健康を脅かす感染症はたくさんあります。
その中でワクチンで予防できるものについて、以下の表で簡単にご説明します。 ワンちゃん・ネコちゃんへの「やるべきこと」の中で、もっとも重要なものの代表がこのワクチン接種でしょう。 通常、狂犬病を除くワクチンは、仔犬・仔猫の時期に2〜3回、あとは毎年1回の追加接種が必要です。 |
◆ ワクチンで予防できるワンちゃんの感染症 ◆ |
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◆ ワクチンで予防できるネコちゃんの感染症 ◆ |
ワクチンで予防できるワンちゃんの感染症 | ||||
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病名 | 原因 | 予防法 | ||
狂 犬 病 | ウィルス | ワクチン | ||
罹患した動物に噛まれることにより感染し、死亡率はほぼ100%の病気です。 人畜共通伝染病(人も動物も同じく感染する病気)の中で最も恐ろしく悲惨なものといわれています。 昭和32年以後わが国での発生はありませんが、多くの国々では今なお多くの発生があり、いろいろな動物が輸入されている昨今、油断は出来ません。 犬を飼う場合には飼い犬を狂犬病から守ると同時に、社会に対する責務として「狂犬病予防法」に基づく、飼い犬の登録と狂犬病予防注射の接種が義務づけられていることを忘れてはいけません。 ・・・ 狂犬病ウィルスの終末宿主は人です ・・・
日本では1957年以降、ヒト、イヌともに狂犬病の発生はありません。ただ、1970年にネパールに旅行した日本人が現地で感染犬に噛まれ、帰国後発病し、死亡した例があります。 2006年にフィリピンで感染犬に噛まれ、帰国後発病したという例が、実に36年ぶりに、横浜市で一名と京都市で一名の計二件ありました。 特に、多くの日本人が観光等で旅行している、東南アジア、インド等の途上国では、媒介動物は殆どがイヌで、感染している野犬も多く、感染に暴露する可能性は高い。また、欧米の先進国では、キツネ、アライグマ、コウモリ、スカンク、ラクーン等の野生動物から人へあるいは、それらからイヌ、ネコを介して間接的に人に伝播される可能性があります。 狂犬病は日本、ハワイ、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、及びスカンジナビア諸国等には存在していないが、これらの地域を除いては、広く常在しています。
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ジステンパー | ウィルス | ワクチン | ||
全身を侵され、発熱、嘔吐・下痢などの消化器症状、咳・膿状の鼻汁などの呼吸器症状、てんかん様発作・痙攣などの神経症状を起こす。
死亡率は高く、治ってもいろいろな後遺症に悩ませられることが多い。 | ||||
伝染性肝炎 | ウィルス | ワクチン | ||
アデノウィルス1型による感染症で、肝炎を主とし、嘔吐や下痢、食欲不振、角膜の混濁などが起こる。
仔犬の場合、突然死することもある恐い病気です。 | ||||
犬伝染性喉頭気管炎 | ウィルス | ワクチン | ||
アデノウィルス2型による感染症で、肺炎や扁桃炎などの呼吸器病を起こす。
パラインフルエンザウィルスや細菌と一緒に「ケンネルコフ」という犬のカゼ症候群を引き起こします。 | ||||
犬パラインフルエンザ | ウィルス | ワクチン | ||
犬パラインフルエンザウィルスによる感染症で、肺炎や扁桃炎などの呼吸器病を起こす。
アデノウィルスや細菌と一緒に「ケンネルコフ」という犬のカゼ症候群を引き起こします。 | ||||
パルボウィルス感染症 | ウィルス | ワクチン | ||
激しい嘔吐、血様の下痢、脱水、白血球減少症を起こす腸炎型と仔犬が突然死する心筋型がある。
伝染性が非常に強く、死亡率も高い恐ろしい病気です。 | ||||
犬コロナウィルス感染症 | ウィルス | ワクチン | ||
下痢や嘔吐といった腸炎を起こす感染症です。 パルボウィルスと混合感染すると症状は一層重くなります。 | ||||
レプトスピラ症 | 細 菌 | ワクチン | ||
細菌によって腎臓や肝臓が侵される、人獣共通感染症です。
多くのタイプがありますが、歯ぐきの出血や黄疸がみられる黄疸出血型と高熱、嘔吐、下痢を起こすカニコーラ型の2種類が代表的なものです。 | ||||
混合ワクチンとして接種できます |
ワクチン接種はワンちゃんの体調の良い日を選び、注射後免疫が出来るまでの2〜3週間は、他の動物との接触を避けるようにしましょう。
注射後、激しい運動やシャンプーをひかえるなど注意して、体調を崩さないようにしましょう。 注射部位の痛みや腫れがひどい、元気食欲が無くなりぐったりしている、顔や眼が腫れるなどの症状が出た場合は、すぐに病院へ連絡してください。 |
ワクチンで予防できるネコちゃんの感染症 | ||||
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病名 | 原因 | 予防法 | ||
猫汎白血球減少症 | ウィルス | ワクチン | ||
猫パルボウィルスによる感染症で、白血球が極端に減少し、食欲が無くなり、高熱、嘔吐、下痢が続き、激しい脱水症状となる。 体力の無い仔猫などはたった1日で死ぬこともある恐ろしい病気です。 | ||||
猫カリシウィルス感染症 | ウィルス | ワクチン | ||
はじめはクシャミ、鼻水、発熱などのいわゆる「カゼ」ですが、症状が進むと舌や口周辺に潰瘍ができることがある。
ときには急性肺炎を起こし死亡することもあります。 | ||||
猫ウィルス性鼻気管炎 | ウィルス | ワクチン | ||
ヘルペスウィルスによる感染症で、ひどいクシャミ、咳、鼻炎などの呼吸器症状のほか、結膜炎を引き起こす。
高熱で食欲は無くなり、鼻水と涙で顔中クシャクシャの、典型的ないわゆる「ネコカゼ」状態になります。 | ||||
猫白血病ウィルス感染症 | ウィルス | ワクチン | ||
白血病やリンパ腫、貧血、流産などを引き起こすほか、免疫力を弱めるため、他のいろいろな病気にかかりやすくなります。
感染した猫は80%が3年以内に死亡するといわれています。 | ||||
up 猫のクラミジア病 | 細 菌 | ワクチン | ||
クラミドフィラ フェリスによる感染症で、結膜炎、鼻水、クシャミ、セキなどがみられ、いわゆる「ネコカゼ」状態になり、時には肺炎を起こすこともあります。
ヒトに感染して結膜炎を起こしたことも報告されています。 | ||||
混合ワクチンとして接種できます |
ワクチン接種はネコちゃんの体調の良い日を選び、注射後免疫が出来るまでの2〜3週間は、他の動物との接触を避けるようにしましょう。
注射後、激しい運動やシャンプーをひかえるなど注意して、体調を崩さないようにしましょう。 注射部位の痛みや腫れがひどい、元気食欲が無くなりぐったりしている、顔や眼が腫れるなどの症状が出た場合は、すぐに病院へ連絡してください。 |